12月 20 2013
2013年マイベストディスクトップ20 5位〜1位
というわけでここまでやってまいりました。
いよいよ2013年マイベストディスク、ベスト5の発表です。厳選に厳選を重ねたとか言っときながらなんだけど、正直に言うと5枚自体はすんなり決まりました。そしてトップ3も簡単に決まりました。ただ、4位と5位、トップ3の3枚はそれぞれ僅差だったのでその中での順位付けについては結構迷いました。
因みにここまでの結果はこちら。
2013年マイベストソングトップ10
2013年マイベストディスク20位〜11位
2013年マイベストディスク10位〜6位
それではトップ5の発表、行ってみよう!
5位:Perfume「LEVEL3」
超均整の取れたダンスアルバム。リミックスされたシングル曲の出来が恐ろしく良い。思いっきりEDMに振ってきてて本当にPerfumeは世界目指してるんだなあと思った。楽曲自体は前作「JPN」の方が好きだけどアルバムとしての統一感、完成度ははるかにこちらの方が上。
その上で、「未来のミュージアム」が箸休め的にそのままのバージョンで配置されてるのが、緊張感を和らげる効果を出していて良い。この曲あんまり人気無いけど僕は好きだよ。
そんなこんなで東京ドーム公演がもう来週。海外公演からRIJFの大トリでの熱いMC、そしてこのアルバムと続いた2013年のPerfumeの総決算。楽しみに待っております。
4位:スピッツ「小さな生き物」
スピッツのアルバムをちゃんと聴くのは初めてだ。シングル曲は「魔法のコトバ」あたり以来かな。つまるところ結構ブランクありだ。しかし今回のアルバムをちゃんと聴いて思ったのはリズム隊のアイディアの豊富さとメロディ・アレンジのみずみずしさと胸を締め付けられる感じ。特に6曲目の先行シングル「さらさら」から9曲目「エンドロールには早すぎる」あたりの楽曲群はドラムとベースの自由闊達さが驚き。今年結成25年だけど惰性のようなものを全く感じない。
ちなみにデラックスエディションに入っている撮り下ろしライブ映像も抜群にいいので、出来ればそっちを買った方が良い。まあもちろんYouTubeには上がってなんかいないんだけど、ちょい出しはあっても良いかもなとか思ったりした。
3位:the chef cooks me「回転体」
このアルバムは買ってからとにかくずっと聴き続けてたしふとした時に聴きたくなる。去年のceroの「My Lost City」のようにこれまでの様々なポップスを並列に流してる感じが聴いていて心地いい。さらにそこに彼らの原点にあったロックミュージックの意匠が加わって「song of sick」みたいな彼らならではのグッドミュージックが奏でられるわけで、彼等にしか出せない音となっている(下の動画は2年前ので、ここから物凄くアップデートが加えられてクオリティが上がっている)。
だからこそMUSICAで有泉さんが「ceroと並ぶポップスの更新」と言ったのは全く正しいと思う。リード曲「適当な闇」にはそれが詰まっているし、冒頭曲「流転する世界」は□□□を参照しながらポールマッカートニーがやるような全フレーズのメロディが違う曲構成を目指すという意欲的な曲で、最終曲「まちに」でのハーモニーはまるでceroのようだ。ってな話を発売してしばらく聴き込んでから書いたね。
ブログでも触れたとおり彼等は過去のポップスをかなり自覚的に取り入れてて、代官山蔦谷書店でインストアライブしたときにも「ここには色々マニアックな古いCDなんかもあって、ここで借りたたくさんのCDが回転体の中に生きています」みたいなことをシモリョーさんが言ってた。凄く長い時間をかけて吸収した物をアウトプットして作られたまさに「回転体(レコード・CD)の集合体」なんじゃないかな。
2位:lyrical school「date course」
今年聴いたアルバムの中で最も「一つの作品」としての完成度が高いのはこのアルバム。とはいうんだけどまず女の子達のラップが最高にかわいい。メンバーチェンジの結果歌声がかなりかわいい方向に振れてきてて楽曲コンセプトと合ってきているように思う。旧メンバーは歌上手い子達だったんだけど、新メンバーたちの声もグループコンセプトに合ってていいよ!
このアルバムのどこが完成度高いかは既に書いてる通りで、徹底的に「date course」というタイトルと「女の子のひと夏の恋」というワードに忠実に楽曲群の並びやインタールード、ジャケット(江口寿史さん作!男がいけすかない感じなのが凄く良い)を作り込んで隙の無いコンセプトアルバムにしていること。前半ももちろん良いんだけど、完全新曲の後半(「turn(アナログだとディスク反転!)」後)のメロウパートはめちゃめちゃグッとくる。「でも」のイントロは凄くひんやりくるし、「P.S.」のファストラップからは明らかな暗さと吹きすさぶ冷たい風を感じるし、「ひとりぼっちのラビリンス」のコーラスの哀愁はアイドルの楽曲を今年たくさん聴いたけど他にはなかったもののように思う。
まあそこから「おいでよ」「MYかわいい日常たち」で日常に回帰していき、ストーリーが上手くまとまるわけ。しかもここに導くインタールード「taxi」と上の「ひとりぼっちのラビリンス」のMVもリンクしてるという徹底ぶり。
因みにこれだけは言っておきたいのだけど、lyrical schoolは、一見すると普通の女の子達が、ステージでマイクを握ってラップして歌って踊るとものすごくキラキラ輝き出すという、「アイドルパフォーマンスという魔法」の体現だと思う。彼女達の衣装が普段着に限りなく近いから、というのもあるとは思うけど、どちらかというと身近な女の子がアイドルになるというコンセプトがあったAKB48の結成以降、それを最も忠実に体現してる現代的なアイドルグループなんじゃないかな。それくらい彼女達のステージングはハツラツとしてて、みずみずしくて、かわいいが詰まっている!!
インストアは結構行けてるんだけど、ライブハウスとかはなんか都合が合わなくて行けてないので来年の早々には行きたいです。
1位:tofubeats「lost decade」
正直に言うならば、アルバムとしての完成度は2位のリリスクの方が上。しかし、2013年のマイベストディスクは何か、というときに、自分の音楽観に影響を及ぼしたとかそういう要素って(この歳になっても)やっぱり外せなくて、そう考えると僕はこのアルバムを抜きには2013年を語れない。だからマイベストディスク1位はこれ。tofubeatsの「lost decade」。このアルバム(と去年のcero)で相当自分の音楽嗜好はアップデートされた感ある。そもそもこのアルバム聴かなかったらリリスク聴いてないし。
まあ既に話したとおり元々は今年の初めに水星ちょっと聴いたくらいで全然キャッチアップできてなかったんだけど。
多分クラブ系とかヒップホップとかバリバリのアルバムになるのかなあとか思っていたところにイントロダクション終わって実質的な最初の曲である「SO WHAT!?」が流れてきたときの衝撃はすごかった。あまりにもイントロがどストレートの超J-POPでドリカムの「決戦は金曜日」かと思った(その後本人から森高千里の「私がオバさんになっても」のオマージュであるというネタバレがあったけどw)。
80年代後半~90年代前半的なJ-POPと21世紀的なダンストラックの融合が超面白いパーティーチューン。そこからはヒップホップやミニマルダンスや美メロハウスやらが縦横無尽に駆け巡る超自由なアルバム。中盤のアグレッシブなナンバーが続く所での「m3nt1on2u」のトリップ感は凄まじいし、
最後の方に至りついにお出ましな「水星」からの、南波志帆をフィーチャーした実質的なグランドフィナーレ「LOST DECADE」に至る流れには本当に大団円、という感じがある。(まあおまけはあるけど)
統一性はそんなにないけど、2013年の音楽がふんだんに詰まってるし、その源流となってきた過去の様々な音楽のエッセンスが感じられる(僕が小学生くらいの時期すらもう過去なんだよねってのが感慨深い所だけど)。譜面を読めない彼はブックオフやTSUTAYAで借りてきたCDを聴き込んでサンプリングすることで曲を作り、徐々にその因数分解を細かくしていって組み合わせてこの作品を作った。ここにはすごく沢山の音楽と、その聴く喜びが詰まっている。去年今年あたりで「多幸感」という言葉が音楽の感想にものすごくたくさん使われるようになったけど、その代表選手がこれだと思う。
僕にとっての2013年はこれでした。ほんとtofubeatsの1年と言ってもいいくらいだった。
というわけで、長々とやってきたマイベストディスクの発表が終わりました。おつきあいありがとうございました。とりあえずトップ20を改めて並べてみましょう。
1位:tofubeats:「lost decade」
2位:lyrical school「date course」
3位:the chef cooks me「回転体」
4位:スピッツ「小さな生き物」
5位:Perfume「LEVEL3」
6位:のあのわ「Cry Like a Monster」
7位:Negicco「Melody Palette」
8位:Homecomings「Homecoming with me?」
9位:森は生きている「森は生きている」
10位:パスピエ「演出家出演」
11位:住所不定無職「GOLD FUTURE BASIC,」
12位:きゃりーぱみゅぱみゅ「なんだこれくしょん」
13位:私立恵比寿中学「中人」
14位:Shiggy Jr.「Shiggy Jr. is not a child」
15位:NONA REEVES「POP STATION」
16位:ももいろクローバーZ「5TH DEMENSION」
17位:サカナクション「sakanaction」
18位:OK?NO!「Party!!!」
19位:高橋幸宏「LIFE ANEW」
20位:UNISON SQUARE GARDEN「CIDER ROAD」
うーん、ベストソングの時にも言ったけどやっぱアレンジ重視だなあ。次がメロディか。去年あたりから「ロックからポップへ」みたいなことを薄々感じていたのだけど今回の並びみるとすごく鮮明だね。決してバンドが少ないというわけではないんだけど。
今年のマイベストを選出して感じた、2013年の自分の音楽体験の根底にある共通テーマは「今と昔の交錯(タイムレス)」と「インターネット」。特にアルバムの1位6位11位という区切りの位置の順位に配した作品に偶然にも前者が色濃く出ていて、インターネットとデジタルオーディオプレイヤーの普及によってたくさんの音楽をアクセスしやすい状態にしておくことができるようになったことで豊富なバックグラウンドを持つ若いミュージシャンが出てくる機会が生まれた(もしくは既存のミュージシャンにもブースターとして働いている)んだなと実感した。それにSoundCloudやBandCampなんかもよく使った。tofubeatsなんかは前者と後者両方の要素がふんだんに満ちてたね。
いやあ今年は趣味としての音楽ライフ超充実してた。ごく身近には共有できる人が少なかった気がしなくもないけど。でもおかげさまでこのブログやTwitterきっかけで色々な人と音楽の話できて楽しかったから良いし、来年以降も楽しみです。来年もよろしくお願いします。
12月 22 2013
「亀田音楽専門学校」のケーススタディをしてみよう〜#12 「弱起は強気」
年間ベストもひとしきり発表し終わったところで、毎週恒例のNHK Eテレの亀田音楽専門学校ケーススタディも第12回目です。というか今週で最終回です。色々終わるのでなんかホント年の瀬感ありますね。
さて、これまでの回のケーススタディはこちらから。
さて最終回、第12回「弱起は強気」。今回も講師は森山直太朗さん。例により前半は講義内容を要約して、後半はその内容に従ってケーススタディということでその手法が実際に使われている曲を解説するという形で。しかしまあこの構成良く続いてきたなあとしみじみ。最後も頑張ります。
●講義の要約
弱起とは
弱起とは、メロディーがその小節の1拍目以外から始まること。例えば、童謡「森のくまさん」では3拍目に入る八分休符の直後から「あるーひ」のメロディが始まる。このうち「あるー」の部分がその小節内には行っていて、ここの部分を弱起と呼ぶ。そして、弱起が使われているJ-POPの名曲として、安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」、平井堅「POP STAR」、いきものがかり「ありがとう」が紹介される。
拍には2種類あって、小節の第1拍目を強拍、他の拍を弱拍と呼ぶ。弱拍から始まるから弱起なのだ。例えば、ベートーヴェンの「交響曲第5番・運命」も弱起の曲である。一般的には「ジャジャジャジャーン!(4つめのジャーンが強拍)」というメロディーで有名なのでそこから始まるように想われるこの曲だけど、音楽に習熟している人・演奏する人にとっては、その直前の休符が意識されるようになってくる。
弱起とは、強拍に向かうメロディの束なのだ。
第3回で校長が作った亀田専門学校校歌。これも弱起なのだけど、さらに「ようこそ(その部分が強拍に重なる)」をつけて弱起を更に強める。そうすると更にキャッチーになり、「NHKなのにCMソング(森山先生談)」ッ北なっている。弱起の部分でメロディが束となって強拍に向かうことで、曲に引き込む力が強まるのだ。
弱起と歌詞の関係
森山直太朗先生の「さくら(独唱)」とケツメイシの「さくら」。森山先生の曲は「さくら」の「ら」に強拍が置かれているが、ケツメイシのさくらは「さくら」の部分は全て弱起で「まいちる」の「ま」の部分が強拍になっている。強拍がどこに置いてあるかによって、見えてくる景色が変わってくる。弱起の歌詞は、強迫から始まる歌詞の導入になるので、ケツメイシの「さくら」は桜吹雪のように桜の花びらが舞っていく風景を連想させる効果がある。描きたい歌詞を弱起後の強拍に置くのがポイント。
森山直太朗の選ぶ弱起の名曲
心がまず奪われていく。前もって準備してくれたテンポがうまく誘ってくれるけど、そうであるからこそ歌詞が重要になってくる。
弱起になっている「晴れわたる(たーのところに強拍が置かれている)」で、やっぱり空が見える気がする。歌が先行することで、歌詞の世界についていくことが出来る。
弱起にあふれている。「もしも〜」のところの歌詞が先行していることで、「なんだろう?どれどれ?」っていう気分になる。次に続くストーリーへの興味がわく。弱起のメロディーには磨かれた言葉が求められる。
弱起のおかわり
弱起はクセになる。という代表曲がAKB48「ヘビーローテーション」。弱起とリフレインは相性が良く、更に合いの手が入っている上に、「I want you」「I need You」「Ilobe you」と強拍の言葉を揃えているので、聴き手としても気持ちよく、もっと聴かせて!という気分になってくる。日本語と英語が組み合わさっているからこその弱起の使い方。
また、Aメロの最初からずっと弱起を使い続けている弱起のオンパレードの名曲が荒井由実「卒業写真」。ここまでたくさんいっぱい弱起を聴くと、クセになって、もっと弱起が来てほしいと思うようになってくる。また、この曲自体は大小様々なリフレインで聴き手を包み込む効果、メロディ・歌詞に行間を産んで情景を豊かにする効果がある。
結論
弱起を強気で使うときには言葉のインパクトに気をつけたい(森山先生)。
弱起はメロディーが率先して聴く人を曲に引き込む特効薬。聴く人はメロディーを追いかけることで様々な風景を想像できる。弱起は引率の先生のような存在。弱起を作るときは強気で、良いメロディーに良い歌詞を付けよう!
番組のまとめ
まだまだ伝えたいことが山ほどあるけど、まずは単純に音楽を好きになってほしい。音楽作るも良し、ただ聴くだけもよし、良い曲聴いたよって人に伝えるだけでも良いし、そこから音楽好きの輪が広がれば良い。まずは好きなことをとことんやってほしいし、その上で困ったことがあったらこの番組で紹介した理論的なことを振り返るのも良いけど、まずは自分の感性を信じよう!
●ケーススタディ
さて、おなじみケーススタディ。その前に、弱起はアウフタクトともいうんだけど、番組内で出てきてたAKB48の「ヘビーローテーション」に関連して、柴那典さんがAKB48グループの「リクエストアワーセットリストベスト100(要は人気投票に基づいたコンサートね)」の楽曲を全部分析しているという先行研究があります。これによると、去年のリクアワの曲は64%が弱起の曲、31%が強拍からサビが始まる曲、5%はその他、ということだそうで、かなり意図的に弱起を使っているのではないか、と推察しているわけですね。
さて、そんなわけで通常ケーススタディ。弱起部分を太字にしてわかりやすいようにしてみました。
くるり「赤い電車」
フロントマンの岸田さんが大の電車好きで最近はタモリ倶楽部の電車の回があると殆どレギュラーみたいに出演しているくるりの電車愛が詰まった楽曲「赤い電車」。岸田さんやタモリさんが大好きな京急がテーマになっている楽曲で、間奏で京急鉄道の出発時のインバータの音をギターで再現していることで有名。「赤い電車に乗っかって 君住む街へひとっ飛び」と、サビの部分はフレーズの最初の3文字が弱起。そして「電車」が強拍になっていて電車が走る風景、もしくは電車の車窓の風景が連想される。これぞ「弱起は強気」のお手本のようなパターン。今年武道館で久々に披露されたらしいんだけど、インフルエンザで行けなかったのが残念。
きゃりーぱみゅぱみゅ「ファッションモンスター」
きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲が実験的になる端緒となった、ロックの意匠を取り入れた楽曲。「ファッションモンスター」と、「モンスター」の部分に強拍が置かれているので、「モンスター」であること、その後の歌詞に出てくる型にはまらないこと、等を強調した言葉運びになっている。
超余談なんだけどきゃりーの楽曲で一番大好きなんだよねこの曲。この曲だけじゃなくてきゃりーの最近の曲はキラーチューンばっかなんだけど、ガールズロックを取り込んだことに意味があるよって話は前に少し書きました。なんだこれくしょん、凄いアルバムでしたねえ。マイベストでは12位だったけど(他が良すぎたんじゃ!)。
tofubeats「水星」
というわけで、ケーススタディの締めは年間ベストアルバムに選出したtofubeatsの「lost decade」から、2010年代のインターネット時代を代表するアンセム、「水星」です。別に狙ったわけじゃないんだけど、この曲はどこかで使えればいいなと思っていたので、ホント偶然なんだけどここで使うことが出来て本当に良かった。なんか上手くまとまったね。この曲もサビの「めくるめくミラーボール乗って 水星にでも旅に出ようか」のところでフレーズ頭が弱起になっている。「ミラーボール」 「旅に出よう」という言葉が、その前のオノマトペ大臣のラップで歌われている「音楽を聴くことと非日常」を強調しているように思う。この曲のサビは、浮遊感と非日常感が交錯する本当にいいメロディだけど、それを弱起が増幅していると思う。
tofubeats自身は楽譜を読めないことを公言しているけれども、この弱起はおそらく自然と出てきたのではないかなと推察されるところで。まあその辺は年間ベストの記事や過去のアルバムレビューなんかを読んでいただければ。因みに、PVに出てる女の子である仮谷せいらちゃんはその後tofubeatsさんと組んで結構色々と曲を出しているんだけど、水星自体も歌っているバージョンがあるので、これもオススメなのであります。
当たり前なんだけどこれもミュージシャンごとに傾向ありました。今回のケーススタディでは「一度使ったミュージシャンは二度使わない」というのを個人的に課していて、それに伴って今回は最初から何組かに絞って楽曲選出をしてたんだけど、全部強拍から始まるようなミュージシャンもあったのね。その一方で柴さんが調べたみたいに6割以上弱起を使っているAKB48グループなんかもあったりするわけで、この多様性がJPOPって面白いですよね。
というわけで、12回続いてきた亀田音楽専門学校ケーススタディも今回で最終回。最初は「いつの間にか終わったらご愛敬」みたいなこと言ってたんだけど、気がついたらきっちり全部の回をやりきれたので我ながら継続は力なりだと強く思うところです(実は今年の年始のスペシャルの録画も未だに保存してあるんだけどまあそれはいいよね)。個人的にはまず凄く勉強になったなというのと、やっぱりアウトプットを意識して番組を見てた(例えば最初に見るときにキーボードで打ち込みしてた)ことで凄く中身が入ってきた。そしてやっぱり番組内容を元に楽曲探しをするプロセスの中で、「ああこの手法ってこんなところにもあるのか!」とか「このワザって、使ってるミュージシャンと使ってないミュージシャンではっきり傾向に差が出てるなあ」とか色々発見があったのがなにより面白かったです。例えばヨナ抜きメロディを多用していたサカナクションやフィッシュマンズ、イントロ専用メロディが異常に多いパスピエ、大人なメジャー7Thをボーカル物に突っ込んでくるスカパラ、tofubeats作詞作曲楽曲のこれでもかと韻をふむ感じ、など。そして、個々のミュージシャンの魅力もここで出てきたメソッドが当てはまったりするケースが色々あって面白かった。
大変勉強になったし、ふとしたときに気にしながら音楽を聴くとまた新しい発見がありそうでとても良い体験になったので亀田校長やゲスト講師始め制作に携わった全ての方に感謝して締めくくりたいと思います。そしてこれまで読んでくれた方々、どうもありがとうございました。ケーススタディから新たな発見とかしてくれたら嬉しいです。
なんかブログ終わるみたいな書き方だけどまだ続くからね!色々ネタあるからね!これからもよろしくお願いします。
By たにみやん • Music, 亀田音楽専門学校 • • Tags: tofubeats, きゃりーぱみゅぱみゅ, くるり