6月 30 2013
2013年上半期の印象に残ったアルバムの話+α
今日で2013年も半分折り返しなので、ここいらで総括的なエントリを一度書いてみようかなあというところ。上半期で特に個人的に印象に残ったアルバムを5枚挙げて(順位は今のところ付けずに)、そこから色々話を展開させていこうというお話。いつにも増してぐだぐだなエントリになることはおそらく間違いないと思う。笑
それでは最初に、今回のノミネート作品をご紹介(順位は付けないのでリリース順で。)。
- 花澤香菜「Claire」
- ももいろクローバーZ「5th DIMENSION」
- tofubeats「lost dacade」
- Homecomings「Homecomings with me?」
- パスピエ「演出家出演」
なんか既にブログで取り上げちゃってるのが大半なのでネタ切れが懸念されるけど、そういうのは後日談というかアップデートみたいな感じになるんじゃないかな、と。
さっそく一つずつ紹介していきつつ話を膨らませていきましょか。
●花澤香菜「Claire」
声優の花澤香菜の1stアルバム。あまりというかまったく声優さんのCD・楽曲など買っていなかった僕がこのCDを買った理由はここに参加しているメンツが「沖井礼二(ex.Cymbals)、ミト(クラムボン)、カジヒデキ、宮川弾、中塚武」等、僕としてはあまりにクリティカルヒットだったから。まあミトさんと沖井さんが自信作ぶりをあまりにもTwitterで語るもんだから特に試聴とかもせずにiTunes Storeで買ったよ。そしたら1曲目の「青い鳥」が抜群に良かった。この曲ってYUKIの「長い夢」とおんなじような系統の曲で、この手の曲にはとにかく弱いんだよなあ。
花澤香菜と渋谷系の邂逅、というか声優と渋谷系の邂逅の話はプロデューサーを務めたROUND TABLEの北川勝利さんがインタビューで述べているのでそっちを読んでくれればいいだろうけど、とにかく作家陣は入魂の作品群をもってきたなあという印象。で本人もそれに応えてるんだけど、ちょっと優等生感があるというか、固い。笑。惜しいよなあと思うアルバム。その辺歌手としての経験積んでこの楽曲クオリティ維持されたらすごい作品出来るんじゃないかと思うところではある。しかしまあ花澤香菜もそうだけど、竹達彩奈(沖井信者の僕は彼女のアルバムも買いましたよ、ええ)、豊崎愛生という風に少しずつ声優界と、渋谷系だったりこの前クラムボンの「LOVER ALBUM」で触れた「シーンの中心から隔絶されたミュージシャン」達だったりとの接点が増えてきていて音楽的に面白い試みが出てきているような。まあ北川さんが先のインタビューで行っているとおり「まだまだアニソンや声優さんの歌う音楽のメインストリームではない」わけだけど。
おすすめ曲は1曲目の「青い鳥」と11曲目の「新しい世界の歌」。沖井さんのソングライティングセンスは衰えないよなあ。でもどっちもないので現存する唯一の公式YouTube動画から「Silent Snow」。
因みに沖井さんが全面的に関わっている竹達彩奈の「Apple Symphony」、花澤さんより歌い慣れてる感じはしたけど楽曲の煮詰まり感は花澤さんの方に軍配が上がるかなって気がする。声の質もあって竹達さんの方が歌える曲調が少し限定される感があるしね。ただあの「ライスとぅミートゅー」の破壊力は結構すごい。
すごい歌詞だろ。ウソみたいだろ。本人作詞なんだぜ…
●ももいろクローバーZ「5th DIMENSION」
これについては既にブログでたっぷり書いちゃった。
ここでだいたい言い尽くしちゃったんだけど、それくらいのインパクトのある作品だったなあということで、やっぱり5枚の中に選出。因みにここに書いたあとにいろんな所で指摘されてるのを見て気付いたんだけど、上記のジャケットの仮面ってカニエ・ウェストのオマージュなんだよねという話も「ももクロと渋谷系の相似性」として捉えることが出来るんじゃないかなとか。まあある種おっさんホイホイですよね。
それから今回が脱ヒャダインを目指しているという話は先のブログだけでなくここ最近話題の「手数の多い浮世絵的J-POP」の話に絡めてここでも書いたんだけど、この前出たももいろクローバー時代の楽曲集「入り口のない出口」を聴いていたときに「最強パレパレード」のカバーとか初期からわりと圧縮度の高い楽曲を志向していたんだなあということを改めて感じたところで。そこでその路線に強いヒャダインを起用したら予想外にハマりすぎたけどそれでイメージつくのが嫌だから、ということなのだろうか。それにしても「猛烈宇宙交響曲第七楽章・無限の愛」以降のヒャダインの扱いはわりとわかりやすく酷くて、ももクロの別名義(桃黒亭一門、もリフ、UFI)とあーりんソロへの曲提供だけで、別名義への曲はまとめてシングル化した上にももいろクローバーZ名義ではないという。まあ裏事情とかどうでもいいのでこれ以上の言及はしないけどももクロの楽曲をヒャダインが手がける機会は今後ますます減っていくんだろうねえ、と。
全然関係ないけど今個人的に熱いアイドルはBABYMETALです。
大学の友達に結構色々教えてもらったこともあってメタルへの造詣がそれなりにあったのと、元々異種格闘技みたいなクロスオーバー的音楽が好きなのもあって激ハマり中。しかしこれ半年早く知りたかったわというか自分が発見するのが遅かったことに今すごく後悔しているところ。
しかしながらこういう異種格闘技みたいな音楽ってベースがしっかりしていないと成り立たないわけで、例えばこの曲「イジメ、ダメ、ゼッタイ」なんかはメロスピ(メロディック・スピードメタル)の基本トラックがきちっとしていてそこにボーカルと合いの手を乗せるという方法で成り立っている。まあ「ド・キ・ド・キ☆モーニング」とかみたいにJ-POPとメタルをミックスさせる(不自然さが感じられない繋ぎ方をしている)というやり方もまたセンスがすごいと思う。あとメインボーカルのSU-METAL(中元すず香)が歌上手い。声質が伸びる感じなのでメタルの音と組み合わせても違和感ない。
ちなみに異種格闘技みたいな音楽ということでもう一つ紹介しとこう。6月にtvkの「Mutoma」で新人枠で紹介されてたカラスは真っ白の「かいじゅうばくはつごっこ」。
在日ファンクみたいなファンクサウンドにそれこそ渋谷系やカフェミュージックやってたような女の子の声をボーカルとして乗せてしまうというこれまたどこからそういう発想がわいてきたんだよという試み。リード曲の「メニー・メアリー」はかなりポップス方面に寄った曲なんだけどそれにピンときて試聴せずに買うと1曲目がゴリゴリファンクのイントロダクション曲なので買うもん間違えたんじゃないか、と思うこと請け合い。ただこれもなかなかバランス取れてて面白い。つい最近ベビメタと同日に買ったので併せて聴いてて頭おかしくなりそうww
敢えてリード曲でないものを貼るw
更に余談(もうそろそろその辺にしとけ)。こういう異種格闘技的音楽の僕的源流は「SPEEDのhiroによるJazzプロジェクト」ことCoco d’Orだ。最初に出たときあまりにも出来がいいので驚いた記憶がある。というか本物のJazzボーカリストとはかけ離れたあくまで「Jazzっぽい」歌い方ではあるんだけど、それがいいというか僕のツボだったという次第。
http://youtu.be/0Pn1NxqU1sM
音悪いな、これ。昔オフィシャルビデオあったと思うんだけどあれどこ行ったんだ……アルバムは3枚あるけど1番最初のがいいと思います。
●tofubeats「lost dacade」
まさに「今」のポップミュージック〜ディスクレビュー:tofubeats「lost decade」
さて。順位は付けないとかいってるけど、多分上半期No.1のアルバムは何かと聞かれたら間違いなくこれと答えると思う。それくらい良かったし、やっぱり今の音だよねえ、という感がある。
ところで、このブログ記事で「「SO WHAT!?」ってイントロのシンセがまるでドリカム」って言ったら、後日tofubeats本人より思いっきりネタバレがあった。この曲は森高千里の「私がオバさんになっても」のオマージュなんだと。
http://youtu.be/RqB5fTkYfmY
イントロは似ている気がする。あとは全体的な曲の雰囲気や世界観などか。そういえば昨日TBSの「音楽の日」で 森高千里が出てたけど、彼女は「ハエ男」「ロックンオムレツ」「ロックンロール県庁所在地」みたいな電波ソングの走りみたいなのも書けば「私がオバさんになっても」「気分爽快」みたいなおちゃらけとマジメのバランスを取った曲、「渡良瀬橋」「雨」みたいな超マジメバラードも書く、という所がすごいよなあと思った。まあほぼ作詞だけだけど、それでもすごい才能というか、女版桑田佳祐とでも言いたい。今に至るまでずっと感性を維持して現役バリバリで活動してたら 凄い曲を色々作ってたんじゃないかなあと思いながらTV見てた。
●Homecomings「Homecomings with me?」
今年の新人賞とイントロ大賞はもうこれで確定でいいんじゃないですかね。
このグループを知ったのはototoyの企画でやってたOTOTOY×若者たちpresents「いま、一番面白い音楽を教えてください!! 」っていう記事。これ見てる中でもう抜群に引きつけられたのがこのHomecomingsだったってわけ。
この青春感すごい。メロディが絶妙すぎると思うんだけど、ハーモニーの使い方がこれまたうまいなあと思ってて、ビーチボーイズとか好きなのかなと思ったらそうだった。この前アコースティックで聴いたけどなんか違うんだよね。バンドサウンドでこのみずみずしい音を鳴らすことに意味があるわけで。そう考えると本当に奇跡的だしおそらくこの年代だからこそ出来るバンドなんだろうなあと思ったり。大学生の時に出会ってても絶対にどストライクだっただろうなあ。
しかし京都のインディーズバンド、個人的に自分にヒットする割合が高い。そういえばjizueもそうだし、LLamaも良い。jizueのこの前出たニューアルバムも良かったね。まあ前回の方が傑作度合いは高かったと思うけど。個人的には打ち込みっぽい感じの音が入ってることに「?」となってしまった。しかしテンションの高い踊れるインストゥルメンタル曲を作らせたら彼らの右に出る者はいないね。「rosso」「dance」の出来はずば抜けて良いよ。
●パスピエ「演出家出演」
これは本当に語り尽くしたわ。笑
パスピエのこれまでとこれからの話をする〜ディスクレビュー:パスピエ「演出家出演」
とはいえ思い入れもあるし実際入ってる曲も良かったし、ここの5枚に挙げないと嘘になる。
オリコンでは初週11位(6310枚)→翌週31位(2108枚)ということで累計だと10000枚くらいまでは行くのかな?来週のライブが楽しみ。前回の列伝はあまり調子よくなかった感があるしね…RIJFやRUSH BALLなど夏フェスにも呼ばれるようになり、じわじわきてる。ブッキングする側が追いつけてない感があるから、冬くらいには結構いろんな所に出るのかなあと思慮。
あと上半期の最後の1週間にリリースされたきゃりーぱみゅぱみゅの「なんだこれくしょん」、このブログのために5枚選出して書きたいこともだいたいまとめたあとに聴いたらあまりに恐ろしい作品だったので入れようかどうしようか迷ってたんだけど、ちょっと別枠で書いておいた方がいい気がするのでまた別途。うむ。先に一言言っておくと上半期の最後に隕石が降ってきたかのような衝撃だった。
今回はまあそんなところで。しかし下期もすでにPerfume、So many tears、ふくろうず、片想いなど沢山キラーアルバム候補が揃っているので楽しみですね。しかしながら僕が選出した物の傾向か音楽界の傾向かわからないけど、「タイムレス」「ジャンルレス」というのが一つのテーマというかとピックなんじゃないかなと思う次第で。ここに挙げた5枚はそれぞれが過去へのリスペクトやオマージュ満載の作品になっていて、うち半分くらいはジャンルの壁を越えたような作品になっているという。これはAmazonやiTunes Storeや大型レコード店やディスクユニオンやツタヤやYouTube等、昔の音楽から今の音楽までまんべんなくアクセスできるっていう環境があって、PCの中にぎっしり音楽を納められるようになったからこそ、なのかなあと思ったりするところ。その辺に注目して下半期も色々聴いてみたいな。
12月 11 2013
2013年マイベストソングトップ10
早いものでもう12月も半ばですね。今年もたくさんいろんな音楽を聴いたなあということで、毎年恒例の年間ベストを発表したいと思います。例年はアルバムだけやってたんだけど、今年は楽曲ベスト10にも手を出してみたいと思ったのでまずそちらから先にやってみようかな、と。
かなり絞るの苦労しました。アルバムはもっと苦労したけど。まあ独断と偏見というか感性に基づいているのでその辺ご容赦ください。「今年を象徴する」とか平然と使うと思ったので先に断っておくよ。笑。それから各ミュージシャンから一つずつとしました。では早速行ってみましょう!
10位:星野源「化物」
今年は大半を入院・療養に充てた星野源。その2度の療養の間に作られたアルバムのリードソングがこの「化物」。彼の曲にしてはかなりテンポの速い曲(BPM115を倍テン)なんだけど、そのテンポの速さが彼の「生への執着」を強調しているかのようで、率直に凄みを感じた。このアルバムを買う前の日に渋谷駅に貼ってあった彼の写ってるタワレコのポスターで「音楽はね、死ぬと聴けなくなるんですよ。今のうちだぜ」って書いてあるのを見てその切実さとリアリティになんかグッとくるものがあった。
この曲と次の「ワークソング」は本当にいい曲だったね。ぶっちゃけて言うと既発シングルが霞むくらいに。というかそういう意味ではアルバムトータルとしてはしりすぼみ感あったような。悪くはないんだけど。
9位:jizue「rosso」
京都のインストゥルメンタルバンド、jizueの3rdアルバム「journal」のリードトラック(イントロ後だから実質的な1曲目かな)。ピアノを主軸にしつつも全ての楽器が代わる代わる主役に躍り出てくるところが凄く面白くて、なおかつシリアスながらもテンションがすごく高い、見どころだらけの踊れる曲。インストはインストでも残響系とかよりtoeとか好きな人の方にむしろ薦めたいね(去年も言った)。この曲と先行シングルの「dance」の2曲のインパクトがとにかく強かったのがjizueの今回のアルバム。前半部分は超聴いた。
8位:tofubeats「Don’t Stop The Music feat.森高千里」
今年はtofubeats関連楽曲とにかく沢山聴いたけど、その中でもこの歌の仮歌がSoundCloudに上がったときの衝撃はかなりのものだった。
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水星の時もこうやって制作プロセスを可視化していったんだってね。それがまた凄く今っぽい。個人的には仮歌バージョンもすごく好きというか、森高さんバージョンは森高さんが歌っているということ自体のインパクトが強すぎるのでまあ合わせ技でこの位置かなあとか思ったり。しかしまあティザーMVの「ちょっと出し感」とか合わせて、凄くリリースまでの展開が上手かったなあ、と。これまでのtofubeats的な手法とメジャーレーベル的な手法が見事にマッチして凄く食いつかせる物になってた。個人的には「lost decade」的な音楽性の集大成になるのかなという印象を受けた。これぞタイムレスな音楽がシーンに浸透した2013年を象徴する歌って感じだね(はい象徴1丁入りました〜)。
7位:サカナクション「ミュージック」
以前のサカナクションは「シングル曲ではキャッチーな曲を出してアルバムで彼等の曲世界を提示する」というパターンだったけど、最近は彼らが売れてきたこともあってシングルでの撒き餌が必要なくなってきたし、彼ら自身の表現力が更に伸びてて撒き餌的なキャッチーさと彼ら本来の音楽性を統合させることができるようになってきているように思える。それが端的に表れているのがこの曲。めちゃめちゃサカナクションらしい曲だしその中でキャッチーさ、踊れる感じなどの諸要素が高得点。ここ最近の彼等はシングル曲の出来がとても良い。
きっと数年前のサカナクションだったら「Aoi」の方がシングル化されてたよね。
6位:ザ・なつやすみバンド「サマーゾンビー」
この曲は以前亀田音楽専門学校のケーススタディで使ったね。ザ・なつやすみバンドについては去年出たアルバムも買っていたんだけど、その時はまあわりといいかなくらいだったのが今回一気に突き抜けた感ある。夏の夕方に聴きたい。因みにカップリングの「echo」もめちゃめちゃ良い。こちらはこちらで没入感がすごい。
因みに久しぶりに8cmCDを買ったよ(因みに電話で取り置きしてもらうときに赤か青か選んでくれと言われた)。
5位:花澤香菜「青い鳥」
花澤さんはこれに限らずあがっているMVが少ないのでiTunes試聴で勘弁くださいな。
多分声優さんのアルバムを買うのは初めてだったと思うんだけど、1曲目に入ってたこれは完全にクリティカルヒットだった。この曲は重ねられている音の系統やBPMなどがYUKIの「長い夢」に結構似ていて(もちろん花澤さんのボーカルに合わせたものになっているけど)、そこもたまらなくツボでした。冬頃は本当こればっかり聴いていたなあ。
4位:BABYMETAL「イジメ、ダメ、ゼッタイ」
既にアイドル楽曲大賞で投票済なのでそこに書いてるんだけど改めて。元メタラーでクロスオーバー的な音楽が大好きな者としては最高に大好物な楽曲でした。メロスピ・パワーメタル系のトラックにアイドル要素を乗っけてかつ両方ともレベルが高く、しかもメインボーカルのSU-METALの歌唱力がしっかりしているという、いろいろな要素がいいレベルでがっちり噛み合っている一品。ついにファンクラブのようなものもでき(当然入りました)、いよいよ海外展開も見据えているようで、ようやく楽曲リリース含め(なにせ今年は完全新曲が2曲しかリリースされなかった)活動が本格化されていくのかな、と期待される所。
3位:AKB48「恋するフォーチュンクッキー」
既に書いた話だけどAKB48の曲は今まで全くピンとこなかったと言っていた僕があっさりお買い上げしたという点で個人的には画期的な曲。この曲の魅力については既にアイドル楽曲大賞の話をした時に書いたけど、70年代のソウルミュージックを基調としたタイムレスなサウンド、シンコペーションを多用して弾むような調子を演出したメロディ、指原莉乃がセンターで歌うことを存分に活かしきった歌詞(特に2番)、最後にモーニング娘。の「LOVEマシーン」同様Shocking Blueの「Venus」のリフを引用していること(おっさんホイホイな仕掛けではあるけどw)など、これまたたくさんの要素が噛み合ってできている曲。あとこの曲はあちこちでいろいろな人が踊る動画がアップされたけど、ミドルテンポなので老若男女踊りやすい・ノリやすいっていうのもあるんじゃないかな。そういう意味でもこの曲は本当に2013年を代表する国民的ダンスチューンではないかな。
2位:ハナレグミ「オリビアを聴きながら with 東京スカパラダイスオーケストラ」
カバー曲を入れるかどうかは迷ったんだけど、これはとにかく初夏の時期すごくよく聴いたし上の映像のライブで聴いたときに「最高!」以外の感想が出てこなかったからやっぱり入れときたいし、意志を持ってこの曲をこの位置にランクインさせておきたい。
音楽が売れない時代とか言われる中、新しい曲を探索する層っていうのは確実に減ってて、今年も「既存曲の焼き直し」であるカバー曲・カバーアルバムというものがそういう層へ訴えかけるお手軽な音楽として機能した気がする。そんな中どう考えても「お前、その音楽聴いて育ってきてないしむしろリアルタイムの時代こういうのバカにしてたんじゃないか?」みたいなのを商業的要請でそれらしくこなす敬意もへったくれも感じられないようなカバーなど、目を覆いたくなるようなものが多かった。この曲はそんな凡百の「駄カバー」に引導を渡す出来だったんじゃ無いかと思う次第。これに比肩するクオリティを出せないのであればカバーなんかするんじゃないよ!!と申し上げたい。ホント。でもそれくらいこのカバーは素晴らしいと思うの。
1位:パスピエ「ON THE AIR」
1位はパスピエ。まあ実際この曲今年一番たくさん聴いたしね。TOKYO FMの春キャンペーンのタイアップソングなんだけど、ラジオというキーワードに合わせつつも彼等の個性をきっちり出してる曲。なおかつ最初は少し抑えめの展開にしながらさびで一気にポップさがはじけるようにする展開がまさに雪が溶けて春になるような季節感が味わえる、まさにJ-POPな楽曲。なんでパスピエがこの曲をライブであまりやらないのか疑問を呈したいくらいに完成度が極めて高い曲だと思う。
それにしても今年はホントにパスピエ沢山聴いた。この曲をもっと聴きたかったなあという気持ちもあるけど、去年の「最終電車」といいこういう純ポップな曲こそ彼らの持ち味がすごく出る分野だと思うので、ぜひどんどんやってほしいね。
さて、いくつか次点があるのでそれも紹介。
最後の「マジ勉NOW!」なんかはSoundCloudにアップされてるフリー音源だからね。来年1月15日にCDリリースされるので来年の物扱いしようかは少し迷ったんだけど。こういう風にネットにしかない音源をかなり積極的に聴くようになったのは今年大きい気がする(この辺はアルバムにも出てくるよ)。ただやっぱりアプリ切り替えたりとかめんどくさいなあとか思うとやっぱりDLでも良いから一つのアプリの中に入れて統一して聴きたいなあと思ってしまうので思ったより聴かなかったなあというのが感想。
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全体的な感想としては「ポップス」としての良さ、編曲の良さ、メロディの良さなんかを重要視してる節があるなあと。あとはギターロックが殆ど選ばれてないのが特徴的なところかな。次点のクリープハイプくらいか。随分前から聴いているともうさすがにアイディア出尽くしてる感あるというか、余りイノベーティブな物が出てきていないように思うんだよね。新規性があればいいのかっていうのはまた別の問題としてあるけど、とりあえずこれ以上聴かなくてもいいんじゃないかと思ってしまっているのが現状。そんな中クリープハイプは結構よかった。この前さやわかさん主催の座談会で聞いた話なんだけど彼らのルーツには洋楽がないんだってね。KANA-BOONなんかもそうだけどそういうバンドが支持される時代になったというのはリスナーの変化なのか、ルーツとしての邦楽ロックの土壌の進化なのか。どっちなんでしょうね。前者っぽいけど。
そんなわけで次はアルバムです。これは本気で悩んだ結果たくさんいい作品あるなという結論に落ち着いたのでベスト20まで発表します。長くなるけどおつきあいください〜。
By たにみやん • Music, 年間ベスト • • Tags: AKB48, BABYMETAL, jizue, tofubeats, サカナクション, ザ・なつやすみバンド, ハナレグミ, パスピエ, 星野源, 花澤香菜