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    12月 1 2015

    第4回アイドル楽曲大賞2015に投票しました

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    この記事を書くともうすぐ今年も締めの季節に入りつつあるんだなあ、という気持ちになる。そんなわけで今年の振り返り第1弾、アイドル楽曲大賞への投票内容公開です。2013年と2014年の記事はこちらなんで、それぞれ見て頂ければ。

    そんなわけでさくさく行きますよ。投票サイトはこちら。

    メジャーアイドル部門

    ノミネートされてる物の中から、この賞にマッチしているか、という観点から若干の絞り込みをしました(ぶっちゃけた話Silent Siren、清竜人25、Perfumeなどを外しました)。例年こういうランキングの時には1ミュージシャン1つとしているんだけど、今回ばかりは二つ選ばせてほしい。配点は書くのめんどくさくてやめたけど、1〜3位にほとんどの持ち点を振り分けてます。

    1位:Negicco「ねぇバーディア」

    Negiccoの纏う雰囲気とレキシ池ちゃんのポップス職人としての才能が化学反応を起こして出来た名作。

    2位:lyrical school「ゆめであいたいね」

    tofubeatsとリリスクのコンビでもトップ3に入る傑作ではないだろうか。

    3位:Negicco「光のシュプール」

    2014年12月に出た曲なので投票。個人的には「まず、この曲よりも良いか」が判断基準になった。本当は1つのグループを2つ入れたくなかったんだけど、どうしても片方を切ることができなかった。

    4位:BABYMETAL「Road Of Resistance」

    世界本格進出後の新曲の中ではピカイチ。というか、他が…(まあ音源出てないから投票のしようがないんだけど)

    5位:乃木坂46「今、話したい誰かがいる」

    最後の1曲は色々考えたけどこれかな~。全体的にきれいにまとまってるな、って感じ。

     

    ちなみにはっちゃけ体操がなかったのがものすごく悔やまれる。早く音源化してくださいお願いします。

    これだけ音源化されても困るけどw

    インディーズ部門

    実は、今回相当苦労した。コメントは書きません。

    1位:amiina「canvas」

    2位:星野みちる「ディスコティークに連れてって」

    残念ながら音源アップなし

    3位:Faint★Star「BoyFriend -A.S.A.P-」

    4位:RYUTist「メクルメクルメ」

    5位:せのしすたぁ「moment」

    Especiaがメジャーデビューしたのとライムベリーがああなっちゃってから聴いてないのと単純に色々と動向を追いかけるのが大変になったのもあり、選出には苦労した。この「追うのが大変になった」というのが今年のトピックかもしれない。インディーズ部門についてはホントにこれくらいしか聞いていないのが実情。あと意外に音源未リリースのものがあったりとか。ハイタッチガールズみたいに。

    Tパレ勢なんかは実際インディーズだしこっちに入れてよ……とも思ったけど、そうすると票はそこに偏りそうな感じがあるので今の配置でいいのかもな、と思いましたとさ。

    アルバム部門

    1位:lyrical school「SPOT」

    2位:Negicco「Rice & Snow」

    3位:callme「Who is callme?」

    ベビメタのライブ盤とか入れようかな、と思ったけど入ってなかったのでやめました。いや入ってても入れなかったと思うけど。callmeはいいんだけどちょっと優等生すぎる感じがする。あるいは習作感が漂っているというか。Negiccoはまあもうちょっとできたんじゃないの?みたいなところはあり。いやそれはリリスクもそうなんですが。なんというか動向追ってるところは出来がある程度予想ついちゃってるところ多いから評価しづらいというか全体的に辛めの評価になりがち。それでもこの辺がトップを占めるあたりあまり僕は動向を追ってないなあ。いや他にも聴いたんですけどね。

    推し箱部門

    lyrical school

    来年もよろしくお願いします。

    全体的なコメントとか

    自分自身が夏頃からアイドル現場に行く回数が相当減ったのもありなんかコメントしづらいところあるけど、「シーンの疲弊感」「楽曲派向けアイドルの生き辛さ」みたいなのは今年割と感じた。

    WASTE OF POPSさんのところでやってるアイドルライブキャパ定点観測にもあったけど、最近ライブ会場をバンバン上げていく攻め方をするアイドルが増えている。WWW→リキッド→赤坂BLITZ→Zepp・野音・中野サンプラザみたいな倍々ゲーム。そしてこのインターバルも半年だったり、それ以下だったり。さらにはその大箱ワンマンの週にCDリリースして物販も展開して一気に収穫、みたいなのが多い。しかしお客さんの数も有限だけど1人のお客さんの財布の中身も有限なのだ。スパンが短くなればそれにつれ厳しくなる。だいたいリキッドくらいまではうまくいくんだけど、そこから先で急速にきつくなることが多い。あとこれ失敗するとアイドルとそれを取り巻く諸々が一気に後ろ向きになる気がする。自分が見てるもの以外もそんな感じの話が色々ある印象。

    スパンが急速なので楽曲の良さでじわじわ……みたいなのはとても難しい。というか楽曲が良いってなんだ、みたいなことを最近思う。2月くらいに行ったトークライブで南波さんが言ってたけど、「曲がいい」のは当たり前なんだよね。みんな力入れてるので、ホント好みの話でしかない。そうなるとたくさん積む人がいる方が伸びる。「楽曲派」は色々目配せしつつ広く薄く買っていくからそういうファンが多いとなかなか色々伸びない。みたいなのがここ最近の実感。解散商法使われたバニラビーンズなんかはかなりそういうとこあるよなあとか。そういえばTパレ最近あまりCDリリースしてないけど大丈夫なのか、と言われたりしてる。実際のところどうなのかな。

    全く実になる話でなくて後ろ向きで申し訳ないなあと思いつつ、なんだかんだ楽曲やらパフォーマンスやら何やらを通じて楽しませて頂いているのは事実なのでアイドルの皆さんには感謝である。

    さあ、ここから一気に年末モード突入ですね!

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    By たにみやん • Music, 年間ベスト •

    11月 16 2015

    「30代の僕達が2015年に聴く音楽」についてずっと考えてるという話

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    このブログでは定期的に日本人の音楽受容みたいな話を書いているけど、日本では30代になると音楽を熱心に聞いたり追っかけたりしなくなる、というデータがある。例えば下記のエントリ。

    博報堂「生活定点調査」データに見える日本人と音楽の関わり

    理由は割と想像がつくところで、仕事での昇進あるいは転職・結婚・育児などライフスタイルが大きく変わる出来事がある、という話が大半だろう。ではあるんだけど、もう一つ大事な話として「30代に合った音楽が無い・もしくはアクセスしづらい」みたいな話もあるんじゃないかな、というのも日々感じている。ポピュラーミュージックは若者向け、みたいな話は聞かれて久しい(もちろんヒットする物には幅広い層にリーチする魅力がある)けど、こうも嗜好の細分化・クラスタ化が進んだ現代ではそれぞれの年代にリーチする音楽というのをもう少し考えてみてもいいんじゃないかな、と言うことをここ数年ずっと考えていた。そんなわけで、いくつか最近自分で見聞きした物をピックアップしつつ色々考えてみたい。

    ●ズバリ「30代」を描いたPOLTAとONIGAWARA

    そもそも歌詞にその楽曲の主人公の具体的なパーソナリティを入れることってどちらかというと少ない。なんでかというと、その付加した属性に当てはまらないリスナーに共感されづらくなるからだと考えられる。なんだけど、裏を返すと「ターゲットを絞り込んで強く共感させる」という手法に用いられることもあるわけ。そんなところで最近「30代独身」みたいな要素を思いっきり歌詞に盛り込んできた物をいくつか立て続けに聴いて「これも一種の時代の流れなのかな…?」なんて思ったりした。

    1つめはPOLTAの「SAD COMMUNICATION」。noteにクソ長いレビューを書いたのだけど「みそじれーしょん」の「あたし このまま死ぬのやだな」は超刺さった。「それでも前を向く」も含めて共感ポイント多数なんだけど、聴きすぎるとちょっと辛くなる(苦笑)。しかしながら「30」も含め、書いている歌詞世界はかなり真に迫るものがあるなあと思ったり。

    2つ目はONIGAWARAの「エビバディOK?」の「ONIGAWARA SUPER STAR」では「不謹慎とかじゃなく男子30にして嫁をめとらぬ者は人間失格 じゃあ僕はもうリタイアします音楽と一緒に心中します とか言ってみたいけど言うわけない 早く人間になりたーい」なんて30代独身男性視点の歌詞が出てきたりする。。銀杏BOYZとかサンボマスターとかが10年前くらいにやってたやってたリビドー全開のロックより若干思春期抜けた感じに仕上がってる。年末にもモテたい男子の妄想ソングをリリースとのことで、確かにそっちの方が今っぽい感じだ。

    とはいえ、ここまで書いた結果こういった歌は「ライフステージが変わってない人」のための歌なんじゃないかと気がしてきた。じゃあそういう人も含めてどんなのがフィットする広い意味での「30代にマッチする音楽」かな、みたいなのが次のお題。

    ●グッドポッポスみたいな話、それから歌は世につれみたいな話

    最近思うのはじっくり聞かせてくれるようなポップスがより心地よくなっている、ということ。この辺は好みとしか言いようがないんだけど、自分としてはいわゆるギターロック的なものから年をおうごとに離れている自覚はある。エアジャムも98世代もメロコアもリアルタイムで一切通らなかったという人間なのでそうなのかもしれないけど、それ以上に自分の年齢にマッチしてきているんじゃないか、という感触がある。

    その代表的なのは先日あったクラムボンの日本武道館ライブ。クラムボンはここ5・6年くらい見てて、3人だけで織り成す強靭なアンサンブルに常に圧倒されてきていたんだけど、それが日本武道館というスケールでも普通に機能してることに驚いた。両国国技館でやった時よりもはるかに響きも良かったように感じるんだけど、機材のアップグレードによるものだけでもないだろう。また、アンサンブルという観点からは先月見に行った吉田ヨウヘイgroupのワンマンライブも相当に良く、こう行った「音を聴かせる」ことと「グルーヴ感」を両立したポップスなんかは正直に言ってもっと僕ら世代の人間に聴いてほしいと思う。クラムボンがイオンモールツアーをやった理由には「子育て世代に入った自分たちのかつてのファンに見てほしいから」というのがあったけど、確かにこういう音楽をカジュアルに聴く機会があったらなあという感じはある。吉田ヨウヘイgroupのライブを見終わった後にはほんとそう思った。あと「ホールで見たい」というのも。

    もう一つ、そういった聴かせるポップス方面として良かったなあと思うのは先月行われたTWEEDEESとROUND TABLEの対バン。ROUND TABLEは花澤香菜のバックバンドとしてもやっているメンツが半分以上で、心地よくかつ軽やかな音が印象的だった。そして何よりもゲストコーラスの藤村鼓乃美(ワンリルキス)のソロ楽曲「SUMMER VACATION(北川さんプロデュース)」がめちゃくちゃ良かった(CD再販してください…配信でもいいんで)。

    それを受けてのTWEEDEESも、6月のワンマンライブからかなり場数を踏んでいたためかバンドとしての一体感も出てるし各曲における歌い方や見せ方が「バンド然としてきた」印象を受けた。沖井礼二feat.清浦夏実状態だったデビュー当初からするとバンドとして成立してきているなあと。その実感が出てきていることが清浦さんの次の台詞からもうかがえる。

    「みんなCymbals好きでしょ? 私も好きだよ。でもね、私がCymbalsのこと忘れさせてあげるから! Cymbalsよりもほかのバンドよりも、TWEEDEESをもっともっといいバンドにしていくから!」

    TWEEDEESと北川勝利、盟友ツーマンで清浦夏実「忘れさせてあげる」 – 音楽ナタリー

    Cymbalsの「怒れる小さな茶色い犬」を披露した後の盛り上がりを受けての物だったけど、率直に言って僕はこの言葉を聞けて、ポスト渋谷系チルドレン(というかCymbalsチルドレン)としてすごく嬉しかった。Cymbalsの再現みたいな物を求めるんじゃなくて、現在進行形のバンドとして進んでいくんだ、という決意が聞けたことが本当に嬉しかった。

    特にここ数年は90年代のヒット曲を中心にカバー曲やリバイバルが大盛り上がりで、「もう新曲いらない」みたいな気持ちの人も多いかもしれない。でもやっぱり「歌は世につれ世は歌につれ」という「音楽と時代・思い出の結びつき」みたいな物は、空気感薄くなったとはいえ絶対にあると思うわけ(前節で挙げた「30代独身」の歌なんかもそう)。懐メロ商売自体は大して否定しないけど、それ自体が過去にばっか目が向いているよねえということが、僕にとってこの手の物にあまり手を出したくならない理由。だから、過去に頼らない自分たちの歌をきちんと作って聴かれていくぞ、というその意思表明については本当に拍手したい。

    特にこのグループにはCymbalsファンと清浦夏実ファンという二つのクラスタがあって、それぞれが(僕も含め)かなり過去にとらわれている印象があったので、その辺について思うところはあったんだろうなあとも思うわけ。ここからに本当に期待したい。Cymbalsのアナログ再発、結局注文しちゃったけどそれはそこから沖井さん達が活動続ける原資になればなあという気持ちもあってであり、やっぱもっとこの先の展開を見たい。まずはCymbalsや清浦ソロの曲やらなくてもいいくらいにレパートリーがほしいよね。笑

    そんな感じで、自分の好みに自覚的になりながら、そこにマッチする音楽を引き続き探していこうかな、と思う次第。いいのがあったらもちろんここなどでピックアップする予定。近日1本紹介する予定(最近遅筆だけど割とすぐやる予定!)

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    By たにみやん • Music • • Tags: ONIGAWARA, POLTA, TWEEDEES, クラムボン, 吉田ヨウヘイgroup

    10月 4 2015

    mabanuaとD’AngeloからJ-POPと現代ブラックミュージックの交わりを考えた

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    ●mabanuaプレイリスト&ワークスの話

    ちょっと前の話になるけど、レジーさんのサイトのプレイリストでmabanua特集プレイリストを作成したので、まずはその振り返りと、「mabanuaと私」みたいな話から。

    僕がmabanuaという名前を知ったのは2013年にjizueへのリミックス提供したことがきっかけなので、実は結構最近。その前からjizueとOvallは何度か対バンしてたわけで、今からしたら見に行っとけば良かった。後悔しても遅いけどw(2013年の秋にOvallは活動休止)

    その翌年春にGotchのライブバンドへの参加が発表され、それと同時位に出たジャズバンドLibstemsのプロデュースでその仕事の幅広さを知ったわけだ。今ジャズ・ネオソウル的な物が盛り上がりを見せてきはじめ、ceroを始めダイレクトにその動きに呼応しているミュージシャンも出てきていた頃だったので、非常にタイムリーな動きに感じた。Libstemsの和田さん曰くmabanua/Ovallを擁するorigami PRODUCTIONSが出てきたときは衝撃を受けたとのことで、若手ジャズメンからしたら相当頭抜けた存在だったのだろうと推察されるところ(去年行ったLibstemsのライブの時に聞いたお話)。そんで年末くらいにアルバム「only the fact」聴いたらめちゃくちゃ良かったわけです。リリスクに楽曲提供してくれないかな〜って今年の前半ずっと言ってたw

    そんな中、2015年の最初にAwesome City Clubの自主企画ライブで彼らが「mabanuaをプロデューサーに迎えアルバム作ってメジャーデビュー」することを発表したとき、これまでの動きとも相まって「これはmabanua積極的に動き追ってった方が良いのでは!?」みたいに感じ、注目していた所。そしたら春にくるりのドラマーとしての参加が発表され、「これはきた!!」となったわけ。そんでVIVA LA ROCKにて見たところかなりアシッドな感じのドラムを叩いていた(それもあって「Liberty & Gravity」とかはホント最高だった)だけに、8月に行われたNegiccoのバックドラムは期待半分不安半分で行ったわけだけど、結果としてはかなりマッチしていた。

    その前辺りにプレイリストをまとめていたわけだけど、川本真琴やCharaへの楽曲提供なんかはアレンジもかなり洗練されていて、その振り幅の広さに感心するばかり。その辺は「いままでやってきたことをその場に応じて呼び起こす」、みたいなことを過去のインタビューで言ってて面白いなあと感じていた次第。

    伊橋成哉×mabanuaが明かす“ミュージシャンからコンポーザーになった経緯” 「作曲の世界は3割バッターさえあまりいない」(前編)

    これを読むとGotchやくるりのドラマーになぜ彼が起用されたのかがわかるなあ。ドラマーとしてもそんな感じかな?と思ったり。

    このように幅広い範囲を横断しつつも個性を出しつつ、今のトレンドとリンクしているmabanuaは、やはり2015年のJ-POPのキーパーソンの一人だなあということをこの9ヶ月で改めて確信した次第。そのトレンドとは…?というところで次の話。

    ●ディアンジェロの伝説的ライブとネオソウル的J-POPの話

    mabanuaが参加したNegiccoの野音ライブの2日後、僕はZepp Tokyoに来ていた。昨年末に突如14年ぶりのアルバムをリリースしたD’Angeloの来日公演を見るために。既にサマソニ大阪・東京公演でその評判は流れていたものの、どのような物になるのかあまり想像せずに(録画していたサマソニの映像も見ずに)ライブに臨んだ。アルバム「Black Messiah」はかなりアシッドな雰囲気の作品でこれが今のブラックミュージックの雰囲気なのかな、みたいに感じていたんだけど(ケンドリック・ラマーの新作もそんな感じだったし)、いざライブに入ったら衝撃的な程にどファンク。「陽性のブラックミュージック」とでも言おうか。どちらかというと位中に技巧でグルーヴ感出していくのかなと思っていたんだけど、とにかく演奏陣から今まで感じたことがないくらいの強烈なエネルギーとグルーヴが巻き起こってきたのが強く印象に残っている。本当に今まで味わったことがないような音楽体験で、生涯ベストライブと言い切れる。

    さて、そんなディアンジェロのライブ、mabanuaやceroのメンバーをはじめ、多数のミュージシャンが見に来ていたようだ。そして、直接的な影響のある物ない物それぞれあるにせよ、ヒップホップ的なビート・ネオソウル的な手法を取り入れた楽曲がこの夏辺りからかなりオーバーグラウンド方面でも進んできている。これが2015年のJ-POPでトレンドの一つとして数えられるんじゃないかなと思うわけで、ここではそういう流れの中に数えられそうな物を挙げていきたい。

    SEKAI NO OWARI「ANTI-HERO」

    ブラーのデーモン・アルバーンによるプロジェクトであるゴリラズのサウンドプロデューサーを務めるダン・ジ・オートメーターをプロデューサーに迎えて作られた作品。「Tree」の楽曲とテイストが全く違って新鮮。そもそもセカオワはベースもドラムも打ち込みなので(所謂ブレイクビーツの人力再現がキモとなっている)ここら辺のくくりに入れていいのか果てしなく微妙なんだけど、ビートの意匠を取り入れたかったんじゃないかという印象。

    椎名林檎「長く短い祭」

    去年も既に書いた話だけど、椎名林檎はホセ・ジェイムズのアルバムの日本盤ボーナストラックに参加してるし、そのきっかけは彼女自身がホセのライブを観に行ったことなので、こういうサウンドを取り入れること自体は全く不思議ではない。手な訳でようやく出てきたか!という感じ。因みにデュエット相手(といえばいいのか?)は東京事変のギタリストでもあった浮雲なので事変ファンとしてはなんか懐かしさを覚えるw

    星野源「Snow Man」

    星野源もこういう曲を出すようになったか……そこまでリズムに複雑さはないにしても、アダルトな意匠としてのソウル/R&Bという物を使ってきている辺り、この辺若干意識しているのでは…?という気が若干する。あとは盟友山口一郎氏のサカナクションもニューシングル「晋宝島」のカップリングでローズピアノの音色が思いっきり昔のソウルっぽい「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームで」という曲を作っているので、その辺からの影響ってのもあるかもね(山口さんがロバート・グラスパーなどに相当インスパイアされてるっぽいという話は去年書いたとおりで。)

    もちろんどメジャーなところ以外でもこういう流れに沿った物は色々出てるよね。前回のceroの記事の時にあげた面々に加えて、Suchmos、toe、アナログフィッシュ、なんかの新譜にはその影響が出ているように感じたし、まだまだこれから大なり小なり影響を感じる物が出てくるだろう。この辺も「シティぽっぽ」同様バズワード化しやすい予感があるけど、そもそも作るのもやるのも難しい印象のある音楽なので、極端な同質化により食傷気味になることはまあないかなあと思いつつ、色々境界線上をふらふら歩きながら眺めていこうと思う次第。

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    By たにみやん • Music • • Tags: mabanua, Negicco, くるり, 星野源, 椎名林檎

    8月 19 2015

    MONOQLO10月号に載ります&Apple Music1ヶ月半使ってみてのあれこれ

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    最初に お知らせです。Twitterでは何度か告知してきていましたが、本日8月19日発売のMONOQLO10月号の定額制音楽配信特集記事「Apple Music vs ライバルズ」に音楽好きブロガーとしてコメントを寄せました。

    Kindle版もあります。

    先日のApple Musicの記事を読んだ編集者の方からこのブログのお問い合わせフォームを通じてオファーを頂いて実現した物ですが、まず取材して頂いてその話を元に原稿を起こしてもらったので、コメントとして載っている部分以外にも実際に使い勝手の比較の話や定額制音楽配信の歴史(ナップスタージャパンからちゃんと始まりますw)なんかも色々と携わっています。いろいろと対応してくださった編集部の皆様に御礼申し上げます。特集の中では洋邦100アーティストの3サービス収録曲を比較した表がとても見応えありです。長渕剛がLINE MUSICにのみ収録されている(8/22の富士山麓オールナイトライブのためにLINEとタイアップしているため)など、既にサービスを活用している人にも面白い記事になっているので、ぜひチェックしてみてください。しかしながら自分が雑誌に載っているのを見ても若干信じられませんでした。笑。

    これからも機会があればこういうことが出来れば良いと思いますので、お仕事依頼、お待ちしております〜。

    さて、告知だけで終わってしまうのもアレなので、Apple Musicリリース以降1ヶ月半使ってきての感想なり変化なりをここいらで記憶しておきます。

    ●聴く曲増えた、特に洋楽

    なにはともあれ聴き放題サービスということなので、思うがままにひたすらオフライン再生可にして色々聴きまくっていたのがこの1ヶ月半くらい。聴いた物をざっとあげてみます。並びはライブラリへの追加順。

    • Carly Rae Jepsen「E•MO•TION」
    • SUEMITSU & THE SUEMITH「Appassionata feat. 細美武士」
    • Passion Pit「Kindred」
    • Ovall「Don’t Care Who Knows That」
    • Ovall「Heart Fever」
    • ミツメ「めまい」
    • J Dilla「Donuts」
    • J Dilla「The Shining」
    • OGRE YOU ASSHOLE「workshop」
    • 入江陽とbutaji「探偵物語」
    • Alabama Shakes「Sound & Color」
    • D’Angelo「Brown Sugar」
    • SANABAGUN「Son of a Gun」
    • Thundercat「Apocalypse」
    • Thundercat「The Beyond / Where the Giants Roam」
    • Faint★Star「PL4E」
    • Tomggg「Butter Sugar Cream」
    • Suchmos「Essence」
    • Suchmos「THE BAY」
    • レミ街「フ ェ ネ ス テ ィ カ」
    • Fishmans「KING MASTER GEORGE」
    • Fishmans「Neo Yankees’ Holiday」
    • OMSB「Think Good」
    • Kamasi Washington「The Epic」
    • ESNO「Release」
    • toe「HEAR YOU」
    • fox capture plan「UNDERGROUND」
    • Ykiki Beat「When the World is Wide」
    • KIRINJI「真夏のサーガ – Single」
    • KIRINJI「水郷 – Single」
    • the telephones「Bye Bye Hello」
    • Serph「Hyperion Suites」
    • MUSE「Drones」
    • 土岐麻子「Bittersweet」
    • GLIM SPANKY「SUNRISE JOURNEY」
    • RIP SLYME「ピース/この道を行こう/ナイショデオネガイシマス」
    • PASSPO☆「Beef or Chicken?」
    • predia「孤高のダリアにくちづけを」
    • 東京スカパラダイスオーケストラ「爆音ラヴソング / めくったオレンジ」
    • 宮川純「The Way」
    • 安藤裕子「360°(ぜんほうい)サラウンド」
    • Silent Siren「ハピマリ」
    • PASSPO☆(はっちゃけ隊)「気分はサイコー!サイコー!サイコー!」
    • Alfred Beach Sandal「Honeymoon – EP」
    • globe「Remode 1」
    • パスピエ「MAKUNOUCHI-ISM e.p.」
    • never young beach「YASHINOKI HOUSE」
    • bohemianvoodoo「Aromatic」
    • ikkubaru「Amusement Park」
    • moumoon「It’s Our Time」
    • THE OTOGIBANASHI’S「BUSINESS CLASS」
    • 東京女子流「Never Ever」
    • world end girlfriend「Hurtbreak Wonderland」
    • Drothy Little Happy「Tell me tell me!!」
    • Elizabeth Shephard「The Signal」
    • PJ Morton「Live from LA」
    • umber session time「(notitle)」
    • Mark Guiliana「My Life Starts Now」
    • callme「callme -EP vol.1」
    • The Spandettes「Spandex Effect」
    • The Spandettes「Sequin Sunrise」

    我ながら凄い量だな…とはいえ、実際にはこれらの中でも沢山聴いた物とそれほど聴かなかった物とあります。特に聴いたのはesno「Release」、レミ街「フ ェ ネ ス テ ィ カ」、Suchmos「THE BAY」、宮川純「The Way」、bohemianvoodoo「Aromatic」辺りかな。

    それ以外で特筆するところとしては、洋楽が多いというところ。テイラー・スウィフトの「1989」は既に聴いていたのでこの中には入っていないんだけど、ひとまずずっと聴こうと思いながら聴いてなかったJ・ディラや、D’Angeloの旧譜なんかに加え、カーリーやパッションピット、ミューズなんかの新譜・アラバマ・シェイクスやカマシ・ワシントンなど洋楽好きの間で話題になったミュージシャンも聴いてる。とにかく目についたらApple Musicにあるかどうか探す、というのが習慣化されていった1ヶ月半だった。

    ●音楽に使うお金は減ったか?

    では、音楽に(というかCD等音源購入に)使うお金が減ったのかと問われると、正直よくわからない。結局Apple Musicに出てこないものは買ったり借りたりしているので、全く使わなくなったというわけでもないし、多分Apple Musicで聴いてる音楽の大半は、普段なら買ったりはしていなかった(レンタルはしたかもしれない)位の物が大半だ。なので、率直に言ってあまり変わらなそうもしくは少し減ったかも位の感触だ。ただ、これは明確に「音楽のヘビーユーザー」側に分類される僕の状況なので、ふつうの人からしてどうか、という話はまた全然違う話になるだろう。

    取材の時にも話したけど、この定額制音楽配信サービスというのは「いろんな音楽を聴く(聴きたい)」という人にはぴったりだが、「自分の好きな物(知っている物)だけしか聴きたくない」という人には全くマッチしないサービスだ。そういう人には「レコメンドとかいいから好きなの聴かせてくれよ」みたいな話になるし、月1000円という金額はおそらく普段使っている金額より遙かに高いものだろう。そして、世の中意外とそういう人は多いんじゃないかという気がしている。このサービスがマッチする人の数って、どれくらいなのだろうか。

    夏休みの間に会った人たちと色々話をしていても、定額制音楽配信について知っている人は少ない。使っている人も、これまでの配信サービスと何が違うのかよくわからずに使っている人も少なからずいる、というような印象を受けた(例えばApple MusicとiTunes Storeの配信楽曲に違いがあるはなぜ、等)。そういう面も含めてこれからだろうな、という気はしている。

    ●使い勝手など

    Apple Musicに特化した話だけど、ミュージックアプリ自体が大幅にアップデートされて使い勝手が大きく変化した。思ったところを書いておきたい。

    • iCloudミュージックライブラリを軸とした音楽の同期はとても不安定。CDから取り込んだ音楽が同期されるまでのタイムラグがはっきりしない(再生されると確実にiCloudにアップされるんだけどそれが端末にどのタイミングで落ちてくるかよくわからない)
    • iCloudミュージックライブラリはたまに手動でアップデートしてあげた方がよさそう
    • PC側で取得したコンテンツはiPhone側からもオフライン再生にする操作が必要。iTunes Storeで買ったコンテンツも同様のため、若干面倒。
    • そもそもの問題としてミュージックアプリに切り替えしたときに画面に何も表示されない・検索かけても結果が表示されないなどの自称が多いので都度アプリを再起動させている。面倒。
    • 「次に再生」「次はこちら」などのスタック型の再生項目管理、決して悪くはないと思うんだけど理解するのに時間がかかる。

    ただしこの辺の不安定さを差し引いても膨大なライブラリに触れられるという事のメリットは大きい。特に最近実感しているのが所謂「ディスクガイド」との相性の良さ。ああいった本は今まで読んでもそこからどれに手を伸ばせばいいのかよくわからなかった(最近はYouTubeがあるから状況改善されてるけど)のが、すぐに目当てのアルバムをさっと探して聴けるようになったというのは大きい。そんなわけで、上に挙げたリストの中には「Jazz the new chapter」に掲載されている作品が随分と入っていたりする。

    そんなわけで今まで若干足踏みしてたディスクガイド物をもっと買っちゃおうという気になったりもしており、確実に音楽聴く楽しみが増えてるなあと実感している次第。まさか初のお仕事まで来てしまうとは文字通り世界を広げた感があるけど、まずは引き続き楽しみながら音楽を聴いていきたいと改めて思った次第。

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    By たにみやん • Music •

    8月 4 2015

    イマドキの夏ソング!?~Shiggy Jr.と lyrical schoolの新曲とワンマンライブの話

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    夏は夏ソングの季節として(主に僕に)有名だけど、今年の夏はこれだっ!て感じになるのがShiggy Jr.の「サマータイムラブ」だ。「Shiggy Jr. is not a child.」で耳の早いリスナーの注目を集め、「LISTEN TO THE MUSIC」のリリースから一気に駆け上り、メジャーレーベルの争奪戦を経てついに今年メジャーデビューしたShiggy Jr.。その新作ということで嫌が応にも期待が高まっていたが、軽々とその期待を超えてきた。

     

    そして同じくらい聴いているのがlyrical schoolの「ワンダーグラウンド」。3度目の登場となり、tofubeats同様リリスクとの相性が良いLITTLEによるリリックに加え、ももクロの「5 The Power」作曲・編曲のSUIを迎えて作られたディスコ・ヒップホップとでも言うべき、とても面白い作品。

     

    この2曲、世界観に共通してる部分があり、そこにすごく今っぽいなあと思うところがあるためその辺を掘り下げてみたいなあということで、今日はこのブログではほとんどやったことの無い「歌詞」の話。それから7月に双方のワンマンライブに行っているのでその話も併せてしてみたい。

    ●永遠ではないとわかっている夜の話

    両方の曲を聴いて感じたのは、「思い浮かぶ風景が夜」だということ。

    「サマータイムラブ」
    サマータイムラブ 1時間だけ長くそばにいられる
    夕暮れに空が染まり出せば 並んだ影が伸び始めてる

    「ワンダーグラウンド」
    今夜自由になって 大丈夫12時になっても とけない魔法かけたから 楽しもう今日は今日だけだから

    上記のように厳密には「サマータイムラブ」の方が「ワンダーグラウンド」よりも早い時間の夜(というか夕方)ではあるが、どちらも1日が終わりに近づいている局面の心情を描写した歌だ。「サマータイムラブ」の曲名は欧米で行われている制度としてのサマータイム(国全体として1時間時計をずらす)ところに由来しており、もしそうであれば1時間長く一緒にいられるのに…という恋心を歌った曲だ。夏→太陽→開放的みたいなのが一般に連想される夏ソングのテンプレだが、そういう図式とは真逆だ(リリスクのこれまでの夏ソングはそんな感じだったけど)。

    しかし、ただ夏の夜をテーマにしただけの曲であれば別にあるんじゃない?というところでもある。そこで出てくるのがこの2曲に共通する「永遠ではないという諦観」だ。

    「サマータイムラブ」では「二人の時間」が続くことを繰り返し繰り返し「神様」にお願いをしているが、裏返してみればそれはそのお願いがかなわないことをわかっているということでもある。そして、「ワンダーグラウンド」では、「今時間が止まってて見つめ合っていたんだよなんで 嘘でもホントにしてほしい」「ねえここで君と笑ってたいなんて(ダメかな)」と、今の時間がずっと続くものではないということを自覚しているリリックがそこかしこに見られる。極めつけは「私たちはティンカーベルじゃないってとっくに知っちゃってる」という歌詞で、先に言及した「魔法」なんか本当は無いんだと言い切っているかのようだ。

    ぶっちゃけ、夏なのに暗い(笑)。まあ今の夏って一昔前より暑いから、心情を描こうとしたら必然的に夜になるかもしれないけどさwただ、それゆえに妙なリアルさがあるのもまた事実。そこにとても心惹かれる部分がある。

    ●ジャンプアップのワンマンライブ

    7月にはこの両者のワンマンライブがあった。1日にShiggy Jr.の初めてのワンマンライブが渋谷CLUB QUATTROで、25日にlyrical schoolの初全国ツアーのツアーファイナルがZepp DiverCityで行われた。両方のライブに行って感じたことを書いておきたい。

    Shiggy Jr.のワンマンライブはメジャーデビューしたてでなおかつワンマンライブ自体初めて、ということもあってものすごく熱気に溢れた物だった。1stアルバム「Shiggy Jr. is not a child」から久しぶりに披露された「(awa)」なんかは後半で楽器隊による激しいジャムセッションが繰り広げられたり、初期に発表されていたアルバム未収録曲「おさんぽ」を森さんがウッドベースを弾く等のアコースティック形態でやったりと、楽器隊も含めたトータルのバンドの良さを遺憾なく披露していた、現時点のShiggy Jr.の120%のステージ。

    これから更に飛躍して行くであろうことが、会場の誰にも予感できたことであろう。次のライブは11月26日、赤坂BLITZ。一気に倍近いキャパシティのライブに挑戦するわけだけど、この夏の各種フェス・イベントを通じて更に多くの人に彼等の音楽は届くだろうという自信の現れだろう。ここまでド直球なポップスが今の夏フェスでどう響くか、とても楽しみである。

    さて、7月25日にはZepp DiverCityにてlyrical schoolの全国ツアーファイナル公演があった。5年間の活動で初めての全国ツアー、そして昨年の年末に行われたLIQUIDROOM公演以来の東京でのワンマンライブ。その昨年のLIQUIDROOMはとにかく曲をガンガンやりまくっていくという物であったが、このZepp公演はまた違うアプローチを取っていた。まず最初にイントロムービーが流れ、そこからつながる形でライブがスタート。曲間にMCが入ったりもしたが、転換にはムービーを活用(これで衣装替えタイムも確保)し、どちらかというと演出主導のライブ、という印象だった。また、ステージ後方部分を高く取り、階段・段差を活用するステージングも見せる(写真はナタリーとかで見てちょ)など、彼女達が6人グループであることを活かした構成にもなっていた(「ひとりぼっちのラビリンス」などはそれがフルに発揮されていた)。リキッドルームの時は「曲!曲!曲!」という畳み掛けるようなライブだったのが、文字通り「奥行きのある」ライブになっていた、というのが率直な感想で、これが全国ツアーでの成果なんだな、と感じた。実際リキッドルームどころか4月のVISIONでのリリースパーティーよりも表現力は増していた。アルバム「SPOT」の収録曲から振り付けがかなり複雑になり、「ラップが置いてきぼりにならないか?」みたいなことを感じてはいたのだが、彼女達は想像以上のスピードで上手くなっているなあと驚かされるくらいの立体感あるパフォーマンスだった。

    その上で、「ワンダーグラウンド」がライブの中核に据えられていたわけだが、本編ラストに披露されたその曲までの橋渡し役としてとても重要な役割を担ったのが「Sing, Sing」だろう。「ワンダーグラウンド」とも通じる「永遠なんて ありえないこと わかってるけど 今日も願うよ」という歌詞は、この日のために用意されていたかのようだった。

    今回のライブには個人的にはかなりフラットな気持ちで臨んでいたというのもあるが、爆発する熱量!大盛り上がり!というよりは素直に良かったと言えるという方が適切なんじゃないかという気がしている。ライブの最後には11月にオールナイトイベントをやることだけが発表され、新曲や次のワンマンが発表されることもなかった。まるでこのライブも一つの通過点であるというかのように。

    Zepp DiverCityの1Fフロア後方は閉鎖され、集客の観点からすると正直全く良くなかったといえる本公演だが、リリスクがZepp DiverCityを選択したのは「大きいライブハウス」というよりも「大きいステージの上で」やることが彼女達にとって必要なことだったから、ではないだろうか。アイドルシーンはこの1・2年で成熟期を迎えた、という感触もあり、もはや「曲やパフォーマンスが良い」は差別化要因にはならない。それ故にそれぞれが「+α」をつけていく必要があり、リリスクにとっての「+α」は今回のライブでの「演出やパフォーマンスの見せ方」だということだろう。であればそれを突き詰め、照明とかももっと使い倒して追究して作り込んで欲しいと思った。既に30分くらいのステージでの彼女達はスペシャルな存在なのだから(もちろんファンが増えないと恒常的にこういう素晴らしい公演が出来ないので、集客それ自体は一つの課題としてあるのだけど)。

    とても楽しい時間を2つのライブで過ごせたわけだけど、楽しさと共にそれと隣り合わせな儚さのような物も内包していることから、2組の楽曲が自分の「日常」に寄り添う物になっているなあということを実感した。これから1ヶ月、僕はまだまだこの2曲を沢山聴くだろうなあと改めて思うのだ。

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    By たにみやん • Music • • Tags: lyrical school, Shiggy Jr.

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