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    4月 21 2016

    BABYMETAL「METAL RESISTANCE」はどういうアルバムなのか

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    BABYMETALの新しいアルバム「METAL RESISTANCE」、びっくりするくらいに売れている。

     

    日本では3代目J Soul Brothersのニューアルバムと同時発売だったため順位は2位だったが、1週間で前作の累計売上を上回る13.7万枚の売上をたたき出し、2週目も2万枚3週目1万枚でもしかしたら20万枚行くんじゃないの、ってペース。さらには日本だけにとどまらず米ビルボードで39位(日本人のベスト40入りは坂本九以来53年ぶり)、英オフィシャル・チャートでは15位など、各国で高順位につけている。南米や北欧などのメタルが盛んだけどプロモ足りてない地域ではそれほどでもないけど、それにしてもすごいセールスであることは間違いない

    このアルバムのインパクトについては(かなり大風呂敷広げた記事だけど)柴那典さんが書いているし、全世界同時発売日の翌日に行われたウェンブリーのライブについても行った方が空気感の伝わる参加記をしたためてくれている。そしたら僕はアルバム自体についてまるっと書いてみますか、という結論に至った。なので書く。

    まず全曲簡単に総ざらいして、そのあと全体の方向性とかを読みたい。

    ●ド・キ・ド・キ☆全曲解説

    これでは前のアルバムではないかというのはその通りだと思います。MVと参考動画でYouTubeを貼りまくったために重くなっちゃってごめんなさい。

    1:Road of Resistance

    この曲については前に解説記事を書いてるから詳しくはそっちを参照してちょ。初出は2014年の1stワールドツアー追加公演ファイナルにあたるロンドン公演。ドラゴンフォースのサム・トットマンとハーマン・リが参加しているバリバリのパワーメタル。シングアロングで盛り上がるんだけど、背中を押してくれるかのような力強さを持つメロディがシンプルに好き。いい曲だと思います。

    2:KARATE

    MV作られてるのでこの曲が多分リードトラックその1。初出は2015年のJAPAN TOURファイナルの横浜アリーナ公演。ゆよゆっぺによる、彼が前作で手がけた「悪魔の輪舞曲」みたいなメシュガーっぽいジェントにソイルワークみたいなメロデス風味を足し合わせた重厚な曲。MIKIKOMETALによるMVの振り付けは、同時期に出たPerfume「FLASH」のそれと好対照になっていて面白い。

    3:あわだまフィーバー

    「ギミチョコ!!」を作曲した上田剛士による、MAD CAPSUKE MARKETSを彷彿とさせるインダストリアルメタルチューンその2。初出は2014年の12月に開催されたファン限定イベント「APOCHRYPHA−S」。「ギミチョコ!!」と同じで、歌詞にほとんど内容はない(笑)。それからBPMが220から180に落ちてるがその分ドラムの音数が増えているのでそんなに遅くなったようには聞こえない。

    4:ヤバッ!

    「KARATE」同様ゆよゆっぺ編曲によるエレクトロニコア/ピコリーモ(メタル・ハードコア+エレクトロチューン。例:Fear, and Loathing in Las Vegas、Crossfaith)チューン。スカのリズムが入っているのはメタルとしては珍しいかもな、と感じるところ。初出は2015年6月の2ndワールドツアーファイナルの「巨大天下一メタル武道会」で、その後ファンクラブ限定ライブにあたって行われた楽曲リクエスト投票時には「違う」というタイトルだったので、長らくそっちの方で呼ばれていた。なんだかんだで未だにレコーディング音源の半数以上が打ち込みで作られているベビメタの曲だが、その中でも一番打ち込み要素が高いと感じられる曲。

    5:Amore – 蒼星 –

    扱いとしてはSU-METALのソロ楽曲(YUIMETALとMOAMETALの声が入っていない)。「イジメ・ダメ・ゼッタイ」や「紅月 – アカツキ -」のアレンジをしていた教頭による、それこそ「Road Of Resistance」以上にDragonforceっぽいド直球のパワーメタル。いたるところにDragonforceっぽい早弾きやピロピロギターが出てくる。タイトルから察しがつくと思うけど「紅月」と対になるような曲。歌詞もそんな感じで、紅月同様ベビメタにしては珍しいラブソング。

    6:META!メタ太郎

    タイトルから「いったいどんな曲なのだろう…」と思われてたこの曲、蓋を開けてみたらヴァイキングメタルだった。ヴァイキングメタルというと僕はコルピクラーニばかり思いついてしまうんだけど、そこまでフォーキー(民謡風)でもないなあ。因みに、日経エンタテインメントのインタビュー記事によると、男声バックコーラス(と言っていいのか)は実際にスカンジナビアのヴァイキングの人たちに歌ってもらったとのこと。SU-METALの今作のお気に入りソングだとか。曰く「BABYMETAL史上最もかわいい曲じゃないですか(笑)?」と。お、おう……

    ただやっぱヴァイキングといえばこれだよな〜〜あんまり近くないけど(貼りたいだけ)

    7:シンコペーション

    7曲目は国内盤と海外盤で全く違う曲が収録されており、こちらは国内盤限定収録の曲。シンコペーションとは何かということについては前に書いた記事を読んでください。次の小節から音を先取りすることで結果的に前のめり感を出す効果があるわけだけど、そのシンコペーションをメロディに多用しつつ歌詞もその「前のめりな心情」を出したものになっているという、ダブルミーニング的な楽曲。楽曲については実は一番メタルっぽさが薄いというか、V系メタルとかジャパメタとかそういう感じで、わりかし普通のJ-POPっぽいなあって感じの曲。いたるところに入っているシンセはcoldrainとかCrossfaithあたりにありそうな感じ。

    7:From Dusk Till Dawn

    海外盤で「シンコペーション」の代わりに収録されている、全編英語詞の曲。ディスクユニオンとかHMVで普通に輸入盤売ってるからそれ買えば聴けるわけですが。ちなみにタイトルは某映画からそのまま持ってきているという…笑。楽曲の分類としてはゴシックメタルという感じで、エヴァネッセンスとか辺りが近いかも。

    実際の曲はこれの10倍くらい緩急がついた感じです。

    8:GJ!!

    YUIMETALとMOAMETALの「BLACK BABYMETAL」の楽曲。前作収録の「4の歌」を彷彿とさせる三三七拍子からのスタートだが、中身は「おねだり大作戦」を彷彿とさせるラップメタル。今回もやっぱりリンプ・ビズキットっぽいですねwwちなみにこの曲は実質ファンクラブである「THE ONE」のメンバー限定盤では歌詞が全く違う「GJ!-ご褒美編-」というバージョンが収録されている。

    9:Sis. Anger

    こちらもBLACK BABYMETALの楽曲。というかタイトルだけでわかる人にはわかるんだけど、タイトルはメタリカの「St. Anger」をもじったものだ。

    実際の曲調は高速にした「St. Anger」って感じ。最近のメタリカが重厚感を増している代わりにテンポの遅い曲が増えてるのを「こうしてほしい!」ってKOBAMETAL(プロデューサー)が言っているようにも感じた。最初のサビの後に「きらいだ!」連呼が「気合だ!」連呼に変化して「バカヤロ〜」ってなるのは本当に最高だ。冗談の温度感が変わってないと、なんか安心する。

    10:NO RAIN, NO RAINBOW

    今回収録されている楽曲群の中では最も古くから存在していた曲で、初出は2013年のNHKホール公演「LEGEND “1999” YUIMETAL&MOAMETAL聖誕祭」。呪いにより蝋人形にされてしまったYUIMETALとMOAMETALを救うためにSU-METALが歌った曲というのが公式設定。なぜかファーストアルバムには収録されず、その直後の武道館公演で演奏されたけど、その後も見かける機会はなかったところで復活。武道館のライブが映像パッケージ化された時に初めて曲名がわかったのだが、それまではサビの歌詞から「止まない雨」と呼ばれていた。そう、Xの「Endless Rain」である。

    11:Tales of The Destinies

    タイトルが運命のRPGなのは色々大丈夫なのか。複数形だからいいのか。それはさておき、変拍子・テンポ変化などめまぐるしく色々変わっていく、ライブでやるのがめちゃくちゃ大変そうなプログレッシブメタルチューン。というかもろにドリームシアターっぽい曲である。笑

    この後次の曲に間髪入れずに突入していくので、2曲繋がっているように聞こえるが、それもそのはずで元々一つの組曲みたいにしようと制作していたとのことである(なので作詞作曲アレンジ演奏、全て同じメンバーでやっている)。

    12:THE ONE

    アルバムのグランドフィナーレを飾る壮大なメタルバラード曲。初出は「KARATE」同様に2015年のJAPAN TOURファイナルの横浜アリーナ公演。MVもそのときの映像がベースになっている。

    タイトルは勿論メタリカの「ONE」から取っている。ただタイトルとして拝借した程度の印象が強く、実際には大団円の締めのために練り込んで作った曲、という感じ。これも「Road of Resistance」と作曲者が同じなのでメロディが良い。Mish-Mosh氏、何者なんだろう…と思って調べたら出てきた。二人組のユニットなんですね。

    因みにこの曲には3つのバージョンが存在する。国内盤の通常バージョン、海外盤の「English Ver.(英語バージョン)」、ファンクラブTHE ONE限定盤の「Unfinished Ver.(ピアノ+ストリングスアレンジ)」だ。先日NHKで放送されたドキュメンタリー「BABYMETAL 少女達は世界と戦う」では、Unfinished Ver.が披露された。

    因みに今作では一部楽曲において楽器もスタジオ録音されている。特にドラムが生録されてる曲が3つあるというのは相当な進歩だろう。因みにライナーノーツにはその辺何も書いていないので、参加ミュージシャンの自己申告しか当てにならない。Dragonforceの二人以外だと、神バンドのメンバーでもあるLedaさんとゴールデンボンバーの楽曲もアレンジしているtatsuoさんの2名が参加曲をツイートしている。

    BABYMETALのNEW ALBUM
    「METAL RESISTANCE」
    M1. Road of Resistance
    …Ba
    M5. Amore – 蒼星 –
    …Gt,Ba
    M10. NO RAIN, NO RAINBOW
    …編曲,Gt,Ba
    参加させていただきました!

    — Leda (@FED_Leda) March 19, 2016

    リリース情報!4.1リリース!BABYMETAL New ALBAM「METAL RESISTANCE」にて「META! メタ太郎」、「Tales of The Destinies」、「THE ONE」、3曲の編曲、ドラム、ベース、ギターにて参加しております!( ´ ▽ ` )ノ

    — たっぷん (@everset_tappun) March 20, 2016

    ●アルバムの狙いを勝手に読み解く

    先に全体的な感想を書くと、「今までの流れを維持しつつスキル・会場のスケールアップに伴って曲を作った、世界に向けたアルバム」というものだ。

    このアルバムで核になっていると考えられる曲は、「Road of Resistance」と「THE ONE」の2曲だ。この2曲のMVはどちらも、日本国内で行われた大会場ライブの映像を使っている。「Road of Resistance」のシンガロング(合唱)の部分なんかは特にそうなんだけど、とにかく大会場で映えることを念頭に置いて作られている曲だという印象を受けた。率直に言うと今ツアーのスタート会場であるウェンブリー・アリーナとファイナル会場である東京ドームを相当に意識して作っていると言える。逆に、それ以外の曲についてはそこまでやることが変わっているわけではない、という感じ。新たにやったヴァイキングやゴシックも、前作の「メギツネ」とかの飛び道具的な曲の位置付けかな、という印象。例えばGJもおねだり大作戦のアップデートっぽいし。なので、今までの流れを維持しつつ会場規模に合わせた、という話になる。あとはバラードが入っているので前作より緩急ついてて聴きやすく感じる人も多いような気がする。

    じゃあ何が世界に向けた要素なのか。それは海外盤の内容、というより海外盤限定で収録されている全英語詩の2曲。聴いて感じたのは英語の発音を相当トレーニングしたんじゃないか、ということ。非公式なのでいつ消えるかわからないけど↓をご覧くだされ。

    https://www.youtube.com/watch?v=S3Q6iJE15-w

    最近だとワンオクやセカオワなんかが歌唱時の英語の発音を鍛えてネイティブから聞いても不自然さをあまり感じないようにしているって話が聞かれる(セカオワについてはリアルサウンドで柴さんが指摘してる)けど、ベビメタもそうしているんだろうな、と。そして今指摘した3組の共通項はアミューズ(もしくはその関連会社)所属であるということ。もちろん他にも英語を鍛えて世界に繰り出しているバンドはあるんだけど、アミューズは会社として狙ってるんだな、という感じ。(なのでPerfumeも今作で1つくらい英詞曲出すかなと思ったけどなかった。)なので、全体の構成とか英語詞曲のクオリティとかを考えると海外盤の方がPRIMERY VERSION、つまり表バージョンなのではないかな、というのが率直な感想。まあ自分が「From Dusk〜」好きなだけかもしれないけど。

    そして4月20日〜21日に行われたファンクラブ限定イベント「APOCRYPHA – Only The FOX GOD Knows –」に行ってきた。国内では初演奏となるアルバム新曲も何曲か演奏されたが、ウェンブリーの時も含め、まだやっていない曲が数曲ある。おそらくダンスの振り付けがまだできていない(Tales〜に関しては練習も終わってない?w)ということだろうけど、既に発表された曲達も同様にインテンシティの高いパフォーマンスだった(それから「THE ONE」がEnglish Versionだった!!)ので、未発表の曲を見るのが楽しみ。そして今月のライブで初披露された曲達もツアーで練度が高くなっていくだろう。東京ドームまであと5ヶ月、当面見る予定はないけど期待して待ちたい。

    いろいろ書いてきたけど、ベビメタに関して思っているのは突き詰めると一言に集約される。

     

    行けるところまで行ってくれ!!!

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    By たにみやん • BABYMETAL, Music • • Tags: BABYMETAL

    4月 13 2016

    総括されるJ-POPとそのターニングポイントたる「1998年」

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    書こうと思いながらずっと暖めておいた話。個人的に色々とバタバタしてたので久々の更新です。

    この1月~2月に亀田音楽専門学校のSEASON3が放送された。今回のテーマはJ-POPの歴史っていうことでJ-POPという言葉が誕生した1980年代末から今に至るまでのJ-POPの歴史を4回に分けて解説している。それを受けて書かれた記事に内容が割と載ってるので参照して頂ければと思うんだけど(他力本願)、それと時期を同じくして、1冊の本が話題になっていた。宇野維正さんの「1998年の宇多田ヒカル」だ。

    この本は宇多田ヒカル・椎名林檎・aiko・浜崎あゆみといった1998年デビュー組の女性ソロシンガーの歩みや音楽性を深掘りし、またその相互の関係性なども考察している。率直に言うとめちゃくちゃ面白かった。特に宇多田ヒカルの音作り(特にコーラスワーク)と全米デビューがなぜうまくいかなかったかという話は音楽的にかなり興味深い話だった。そしてこの本は取り扱っている対象のキャッチーさ、そして本のタイトルにもなっている宇多田ヒカルの音楽活動再開のニュースが発売後程なくして流れたこともあり、「普段音楽を聴かない人」にもずいぶん届いているように見受けられた。どちらかというとクロニクル的な書籍であり、(勿論現代のJ-POPにも触れてはいるのだけど)成熟期のJ-POPの総括という色彩が強い。こういう風にJ-POPを「総括」する流れみたいな動きが並行して出てきているのは偶然ではなく、そういう時期に入ったのかな、と言うところがある。なぜそう考えるのか。昨年出版された佐々木敦さんの「ニッポンの音楽」のある一説が思い浮かんだからだ。

    筆者は「Jポップ」なるものが、60年代末に胚胎され、二十年の歳月を経て、80年代末に「言葉=概念」として誕生し、いつのまにか世の中にあまねく行き渡って、ほとんどこの国の音楽そのものを覆い尽くしたあげくに、そこからまた二十年を経たゼロ年代の末ごろに、一応の役割を終えた、と考えているのです。

    要はJ-POPの歴史は一区切りしていて総括のタイミングにあり、それゆえそういう言説が幾つか出てきている、という話。なので僕も乗ってしまおう。という便乗感あふれるエントリ。因みに「ニッポンの音楽」でははっぴぃえんどが出てきた1969年から始まっているのでそこは省きつつ、多少補助線を書いていきたい。というわけで、「ニッポンの音楽」「亀田音楽専門学校」でそれぞれ説明されていた時期区分に加え、僕が考えるキーワードも並記してチャートみたいな感じにしたのが下の図である。

    スクリーンショット 2016-04-13 21.59.17

    今回言いたいのは二つある。「J-POPの歴史は1998年を境にプロデューサー主導の時代とセルフプロデュースの時代に大分される」ということと、「音楽の視聴形態が転換する時期に、時代横断的な音楽のムーブメントが発生する」ということ。

    前者の方から述べていきたい。これはいわば「J-POP産業化の道のり」だ。亀音で説明されてたし「ニッポンの音楽」でも説明されているけど、J-POPという名前が誕生したのはJ-WAVE開局の1988~1989年あたりで、そこから1993年くらいまでのに定着していく。そして、みんなが知ってる1998年くらいまでCDの売上は景気どこ吹く風で右肩上がりになっていくわけだが、その中心にいたミュージシャンの多くはプロデューサー月盟神探湯になっていた、というのが特徴。小室哲哉・小林武史・等は言うには及ばないが、ビーイングもそうだし(B’zの2人が初レコーディングまで顔合わせがなかったなどは有名な話)、ドリカムも、中村正人が「吉田美和で一儲けしようとおもってけっせいした」と半ば冗談ながら言っているが、スタンスとしてはプロデューサー主導に近い。そして、この時期のそういった流れの中に位置付けられるのがテレビ番組(特にバラエティ番組)内の企画ユニット。ポケットビスケッツやブラックビスケッツにエキセントリック少年ボウイや野猿など、これもある種の「プロデューサー主導案件」と言えるのではないか。

    それに対して、1998年にデビューした歌姫3組が導いたのは「セルフプロデュースの時代」だ。もちろんシンガーソングライターはそれまでもいたし、その中には編曲なども含めて一気通貫でやってきた人もいた。しかし、曲の方向性などを特定のプロデューサーに頼ることなく自分たちの方法論で作り上げて大プロデューサーの作品に比肩するヒットをデビュー後早い段階で作り出した、という点で彼女達は一つの時代の移り変わりを導いたのだ。この本に浜崎あゆみやMISIAの名が挙げられてないことを訝しがる意見が散見されたけど、こういった時代の移り変わりという観点からすると適切だったのではないだろうか。そしてこの1998年以降は彼女達や97の世代(NUMBER GIRL・くるり・SUPERCAR・中村一義など)やそれに続くバンド達、平井堅等が引っ張っていったいわば「セルフプロデュースの時代」だと考える。そこで前面に出ていたのがR&B・ヒッポホップのような「ブラックミュージック」だ。もちろんドリカムやSMAPのような先達があったにせよ、見た目や立ち居振る舞いまでダイレクトにブラックテイストが染み込んでいるミュージシャンが表に出てきたのはこの時期ではないだろうか。

    そして今は、プロデューサー主導型とセルフプロデュースとがミックス状態になっているJPOPの成熟期といえるだろう。おそらく2007年あたりからそんな時期なんじゃないかな、と考えているんだけど、この時代の特徴はなんだろうと考えると真っ先に出てくるのが「インターネット」だ。YouTubeやニコニコ動画が多くのインターネットユーザーに定着したのはゼロ年代後半位。それゆえに「動画サイトユーザーに飽きられないように15秒でつかむインパクト重視てんこ盛り音楽」も「古今東西のポップスの旨味をうまく抽出した懐かしさと新規性を両立したポップス」も出てきた。ソロもプロデューサー主導もブラックテイストもエレクトロも王道ポップスも色々出てきてどれが、というよりどれも、みたいになっているのがここ数年なんじゃないかな、と。そんな複雑化した時代だから、フィジカル面で訴えかけ躍らせ駆動させるような音楽(あえてここでは詳細を述べないけど)が台頭しようとしてきてるのでは、という感じ。

    因みに「1998年の宇多田ヒカル」では「渋谷系は過大評価されている」という主張が述べられていた。その正誤をここで判断することはしないが、別の観点から勝手に補助線を引きたい。何かというと、渋谷系は音楽メディアの過渡期における自然発生的な現象だということと、その観点からしていわゆる「2010年代型のシティポップ」と「渋谷系」はかなり相似の現象ではないかということだ。

    一つ目の話。若杉実さんの「渋谷系」では渋谷系とはDJ文化だという趣旨でそれを生み出した渋谷のレコードや文化の成り立ちと移り変わり、それが生み出した熱狂について克明に記録していた。

    ここで描かれている1990年前後という時代は、レコードからCDへの移行がほぼ終わろうとしていた時期だ。この時期はレコードがメディアとして飽和していたということ、それからCD化に伴う再発盤リリースで過去音源が掘り返されたこと・(そしてほぼ触れられていないがレンタルレコード事業の勃興)からなる「旧譜が豊潤な時代」だった。それゆえ、それらの旧譜を聴くことで様々な着想を得たミュージシャンが同時発生した、というのが(若干乱暴ながら)渋谷系ムーブメントの発祥のテクニカルな側面だと考えられる。そして現代はいろいろな音楽が(非公式な物も含め)YouTubeに上がっているし、配信サイトでも結構色々手に入るし、何ならレンタルでもOKだしTSUTAYAで借りるもよしブックオフで叩き売られているのを買うもよし、という形で旧譜へのアクセスがしやすい時代になっている。状況は1990年前後とかなり近い。そう考えると「渋谷系」も「2010年代型シティポップ」もそういったメディアの移り変わりによる旧譜が豊潤な時代に自然発生する一つの「時代横断的音楽のムーブメント」と言えるのではないだろうか。ceroがSMAP×SMAPに出演したときの稲垣吾郎による「渋谷系みたい」というコメントは、そういう相似形であることを肌感覚で表している良いコメントだった。

    日本の音楽業界には色々末法思想的な物が広がっている感じがするけど、こういう風に総括するような話が沢山出てきた時期だから、そこから何か考えてみることは良いことなのでは、と思ったりします。賢者は歴史に学ぶ的な。こんな感じで久々に色々書いてたら書きたいことが出てきたんで次も間を空けずに更新していきたい所存。

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    By たにみやん • Music •

    2月 23 2016

    2015年の音楽配信市場読み解き

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    先月CDなどのパッケージメディアの売り上げというか生産状況について色々考察など入れてみたけど、音楽配信の方も年間のデータが出たのでざーっとレビューしていこう。日本レコード協会の有料音楽配信売上実績というデータで、こちらは配信業者からの売上データ提出による物なので生産じゃなくて売上なんですね(そもそも複製コストゼロの配信で「生産」を数えることには意味がないしね)。とはいえ、パッケージメディアの時と言葉を合わせた方が良さそうなので「市場読み解き」というタイトルにしとく。たぶん来年もこのタイトルでいくはず。

    はっきり明記しているわけではないけど、日本レコード協会が正規音源を扱っていると認定している証である「エルマーク」を付与されている音楽配信サイトがこの集計の対象になっている物と推測される。iTunes StoreやAmazon MP3などの外資系のみならずLINE MUSICやAWAといった定額制配信サイトにもちろんついている(Apple Musicは記載がないがiTunes Storeに含まれているだろう)し、リスト(PDFです)を見るに各アーティスト・レコード会社等の直販サイトも対象になっているようです。としてもちょっと腑に落ちないところがあるんだけど…それはちょっと後で触れます。

    ちなみに昨年までの文章はこちら。2011年と2012年はパッケージと一緒。
    2011年:音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話
    2012年:レコード業界のゆくえ2013(音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話 Part.2)
    2013年:2013年の音楽配信売上まとめ
    2014年:2014年の音楽配信の売上読み解き

    ここまでの文章は去年と殆ど同じだけど、基本同じことをあまり繰り返してもくどいので、こちらも適宜参照していただけるとこれ幸い。

    ●サマリー:定額制配信様々…?

    まずは売上数量。

    volume

    PC/スマホシングル:1億884万8千DL(前年比100%)
    PC/スマホアルバム:843万7千DL(前年比109%)
    着うた+着うたフル:1482万9千DL(前年比61%)
    メロディコール:4,399万4千件(前年比83%)
    DL数総計:1億7,811万3千件(前年比91%、ビデオ等その他項目含む)

    単曲もアルバムも一緒くたにしておいて数を数えるっていうのは変な話ではある。ここ数年は着うた+着うたフルが急速に落ち込んだ分をPC/スマホ向けでカバーするけどトータルは減少、というところであった。今年までくると着うた+着うたフルは5〜600万件と大した減少数ではないのだけど、PC/スマホ向けダウンロードが停滞しているために今年も引き続きトータルダウンロード数は減少となった。じゃあなんでそんなことになっているのかな、ってところで売上金額。

    sales

    PC/スマホシングル:174億3,800万円(前年比100%)
    PC/スマホアルバム:92億2,900万円(前年比111%)
    着うた+着うたフル:23億4,000万円(前年比56%)
    メロディーコール:29億5,300万円(前年比79%)
    ダウンロード総計:346億8,500万円(前年比100%、ビデオ等その他項目含む)
    サブスクリプション:123億9,300万円(前年比159%)
    音楽配信売上総計:470億7,300万円(前年比108%)

    見て明らかなのはサブスクリプション(つまるところ定額制配信)の伸張とPC/スマホ向けシングル曲の停滞。もちろんその中核にいたのはApple Music、LINE MUSIC、AWAといった第2世代の定額音楽配信サービスだ。ただし、純粋に増えた金額だけ見れば2013年→2014年とほぼ同じだ。ここについては四半期別のデータをもとにここ5年くらいの動きをもう少し詳しく見ていきたい。

    detail

    2015年の2Q(4〜6月)にAWAとLINE MUSICが立ち上がったあたりからダウンロード売上が頭打ちになっていることがわかる(前掲の数字に出ている通りアルバムはまだ前年度比で上昇しているんだけど、)。また、今年のサブスクリプションの伸張は後半(3Qと4Q)に集中しており(この期間での増加分で30億円であり年間伸び額の66%だ)、第2世代定額制音楽配信が無料期間を終了してもそれなりの人数が有料会員として継続したと推測される。そしてその時期からPC/スマホ向けのダウンロード金額が伸び悩んでいることから、喰い合いが生じているというのもまた事実。しかしこの傾向は世界全体としてそうだしトータルではプラスだからいいかな、という感じなんだろう。

    ところで気になっていることが一つある。サブスクリプションの1Q売上は23億4000万円。1月あたり8億円弱、と算出されるわけだ。そしてドコモのdヒッツが2015年の3月に会員数300万人突破を発表したが、この料金が300円か500円のいずれかであることから間をとって一人400円とすると1月あたり12億円の売上が上がることになるわけだけど、計算合わなくない?????実際にはdヒッツには初月無料制度があったりとかで割引も講じられているわけだけど、内訳がわからないから色々見えない(当たり前だけどdヒッツはLマーク認証サイトである)。

    何が言いたいのかというと、(数字の不明な点はあるにせよ)今の定額制音楽配信についてはみんなが注目しているApple Music、LINE MUSIC、AWA等と同じくらいにドコモのdヒッツもプレゼンスがあるということ。2013→2014の伸張はかなりここによるところが大きいと考えられる(会員数の推移を見ると顕著)。しかもdヒッツは今年に入ってから嵐の楽曲を配信開始した。ジャニーズの楽曲は他のところでは全然出てこないのに、である(ちなみにSMAP、Sexy Zoneなど一部のジャニーズグループはレコチョクに単曲配信をしているが、あくまでレコチョクのアプリでしか聴けない)。

    どうしてか、という理由の一つにdヒッツの配信方法がオンデマンド型ではない、ということが挙げられる。ドコモのdヒッツの説明ページにはこうある。

    テーマに沿った楽曲があらかじめ登録されているので、ひとつずつ楽曲を選択する必要がありません。

    毎月10曲ずつ、好きな曲を「myヒッツ」に保存することで、好きな時に好きな曲が聴ける♪

    音楽プログラムにある曲はもちろん、プログラムにない曲も検索して「myヒッツ」保存が可能!myヒッツした曲は、あたかも楽曲を購入したかのように、いつでもお好きなタイミングでお楽しみいただけます。

    どういうことかというと、オフライン保存できるのは月10曲のみであり、基本はドコモが用意したプレイリストに沿った形(AWAのライトプランみたいな感じ)で使ってね、ということだ。この形式ならCD等の購入につながるとして許可する権利者も結構多い。例えばサザンオールスターズはdヒッツに280曲も出している(スマートフォンでリンク先に行くと楽曲試聴もできる)。そんな形態ながらも嵐はジャニーズとして初めてこういった定額制音楽配信サービスに参入した、というのが相当なインパクトなので、これからの動向に注目なわけ。もしかしたら、dヒッツがサービスを拡充していくことで定額制音楽配信サービスのダークホースになる可能性もありうる。この楽曲群をそのままオンデマンド型に持っていければ、という仮定の話であり結構難しいとは思われるが。(2/25追記:dヒッツには「携帯電話契約時にセットで結ばせる所謂「レ点営業商品(申込用紙にチェックマークを入れさせて契約させる商品)」であり、やめ忘れによりあまり使われてないのではという指摘がある。それは確かにそうであるが、ドコモ側でもその問題は認識していて改善に取り組んでるゆえのラインナップ改善であろう。実際ドコモ側の発表ではあるがアクティブユーザーの比率は改善してきているようである。)

    さて、ここでどんな曲がたくさんDLされたかも記しておこう。正確な数字はないけど、2015年にリリースされた楽曲で、その年のうちに日本レコード協会でプラチナ(25万DL)以上のランクに認定されたのは以下の楽曲(ページリニューアルにより条件をつけて検索できるようになったから助かる)。

    ダブル・プラチナ(50万DL〜)

    • 西野カナ「トリセツ」

    プラチナ(25万DL~)

    • クマムシ「あったかいんだからぁ♪」
    • chay「あなたに恋をしてみました」
    • ゲスの極み乙女「私以外私じゃないの」
    • 西野カナ「もしも運命の人がいるのなら」
    • Superfly「Beautiful」
    • 家入レオ「君がくれた夏」
    • back number「ヒロイン」
    • カーリー・レイ・ジェプセン「I Really Like You」
    • ウィズ・カリファ「See You Again feat.Charlie Puth」
    • back number「クリスマスソング」
    • 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「Summer Madness」
    • THE Sharehappi from 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「Share The Love」

    個人的な感触としては、着うた全盛の時とそんなにラインナップ変わらないような気がしている。シングルトラック単位だとそんなもんかな、という印象。そして去年は松たか子の「Let It Go」というミリオンヒットがあったのだけど、2015年はそこまで突出したものはなく、全会一致で決まるような「1年を代表するようなヒットソング」はないという状態かな、と。まあ敢えて言えば「トリセツ」なのでしょうが、年が明けてからbuck numberの「クリスマスソング」もダブルプラチナになっているので、突出している、というわけでもないかな。

    そんな感じで2年連続で売上金額が前年度越えした日本の音楽配信市場。定額制配信が伸張したものの、ダウンロードは頭打ち。そんな中でこれからどうなるか展望のような物を述べていきたい。

    ●相変わらずのパイの少なさをどうするかという話

    去年のこの記事でテイラー・スウィフトがSpotifyに「NO」を突き付け最新アルバム「1989」を大ヒットさせた、という話を書いた。そして彼女は去年もApple Musicの立ち上げに当たって分配率で揉めるという騒ぎを起こした。この話自体はApple側の反応があまりにも早かったことから一種のプロレスみたいなもの、あるいは炎上マーケティングみたいなものなのかな、と推測されるところだけど、メガヒットを出すミュージシャンの動向がこういったサービスの生命線を握っていることを露わにした(「ブロックバスター戦略」みたいな話ですね)。そういった話では、去年アデルが「25」を一切のサブスクリプション型配信サイトなどに通さず、1500万枚以上を2015年のうちに売り上げた。

    日本でも大物がサービスの命運を動かす事情は似たようなところがある。そういった大物ミュージシャンにフォーカスすると最も楽曲数のあるAplle Musicですら、iTunes Storeと比べると配信カタログ数はかなり不足しているし、iTunes Store(やmoraやレコチョク)ですら未配信の大物ミュージシャンは未だ多い。なぜ未配信かというと、そもそも配信しなくても買ってくれる人の量が多いからわざわざ配信でディスカウントする必要がないからだ。だからこそ嵐の参入は驚きをもって迎えられた(いや、dヒッツのことなんかみんな見てないから興味ないか…?)。ここを取り込めないと音楽配信サービスが大きく伸びることは見込めない。そもそも音楽配信サービスの売上額というのはパッケージメディアの1/4〜1/5くらいなわけですから。

    日本はレンタルCDがあるなど極めて独特な環境であり配信への阻害要因は大きいんだけど、今時CDドライブのないPCも増えてきているし、そもそもPCない人もずいぶんいるし(この5年で個人向け出荷台数も相当減ってしまっている)新しく音楽買ってもらおうとするのであれば配信の方が早いわけ。インフラ面でもCDが今後伸びる芽はないので、業界の命を守りたければ配信を通じて「音楽を聴く人」を増やす必要があるだろう。そもそも音楽自体興味ない、「金払う価値ない」位の考えの人が今の日本のマジョリティである事は疑いようもないので、dヒッツやAWAライトプランや、Spotifyのようなフリーミアムなど、安い価格あるいは0円でリーチを伸ばす施策も欠かせないだろう。フリーミアム自体はリスク高くてやらなそうな気がするけど、YouTubeでしか音楽を聞かない人の多さやLINE MUSIC無料期間終了後の反応の悪さはさすがにわかってるでしょ、とは言いたい。まだその先に「お金払ってもう少し色々自由に聴かない?」みたいな道は用意しておいたほうが良いのでは、というだけ。なんだかんだ制約などありつつ配信の利便性は高いので(この半年くらい、Apple Musicにないものはよほど好きなミュージシャンでない限りCDで買わずにまずダウンロード配信を使う、という流れになっている)、どんどん良い方に変わっていってほしいなあという次第。

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    By たにみやん • Music, 音楽業界レビュー・売上まとめ •

    1月 24 2016

    2015年の音楽パッケージメディア(CD・レコードなど)の市場読み解き

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    例年通り、2015年の音楽パッケージメディア情勢についてレコード協会さんの生産実績統計が発表になったのでそこに対する分析など書いていきたい。生データはこちら。

    一般社団法人 日本レコード協会|各種統計

    去年この協会のWebサイトがリニューアルしたのだが、はっきり言ってUI的には改悪そのものである。標準の文字の大きさでアクセスすると、表のセルの中で多桁数字に対する改行が入っており、数がわかりづらい。バカじゃないのか。しかもWindowsで文字を小さくすると1行に収まるがMacでは収まらない(Safari・Chrome・Firefoxどれでもだ)。担当者の方には即刻修正してほしい。ていうかこのデータ見てほしくないのか???

    さて、例により前口上。ぶっちゃけた話、この記事には景気のいい話は余り出てこない。だからといってそれを煽るためにこの記事を書いているわけでは無いし、「今の音楽がダメだからCDが売れない」みたいなくだらない結論を書くつもりも無い。この売上集計を元にした記事は今回で5回目になるけど、正しい情報を書いてその背景に何が起きてるかを客観的に分析するだけだ。なぜ僕がやるのかというと誰もやってないからだし、自分自身にとってこの深掘する作業が面白くて楽しいからだ。そして原典のデータが見づらいから、という新しい理由も加わった(笑)。というわけでよろしく。

    因みに、上記で参照しているのは生産実績統計なので、小売りで売れた分とは若干一致しないところがあります。後でちょっと触れるけど今年は12月の生産が多い分野もあり、元日発売日製品は12月のうちに作って出荷(さらにはフラゲもあるけど)するため年内の実績になる、みたいなことも発生する。

    因みに過去の記事はこちら。

    2011年:音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話
    2012年:レコード業界のゆくえ2013(音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話 Part.2)
    2013年:2013年の音楽パッケージメディア(CD・映像・アナログ等)売上まとめ
    2014年:2014年の音楽パッケージメディア(CD・レコードなど)の売上読み解き

    毎年タイトルをマイナーアップデートしてるんだなwそして今年も……

    ●サマリー

    ではCDと映像メディアについて、まず数量ベースで暦年単位での推移を比較。

    volume1

    CDシングル:5,514万枚(前年比99%)
    CDアルバム:11,269万枚(前年比98%)
    CD合計:16,783万枚(前年比99%)
    音楽DVD/Blu-ray:5,407万枚(前年比101%)

    毎年同じ話をするけど、日本だけでなく全世界では音楽パッケージメディアとしての主流はシングルではなくアルバムなんです。金額だけでなく枚数もアルバムの方が上回っている、という話です。ただし、それでも日本は世界的に見てシングル比率が高いというところはあります(昔国際比較の記事載せましたが、基本的には変わってないはずです)。

    volume2

    CDシングル:417億円(前年比100%)
    CDアルバム:1,384億円(前年比97%)
    CD合計:1,801億円(前年比98%)
    音楽DVD/Blu-ray:719億円(前年比106%)

    枚数と同じで微減、といった感じ。今年の日本の音楽ビジネスにおけるトピックはApple Music、Google Play Music、LINE MUSIC、AWAといった定額制音楽配信が始まったことであり、それにより音楽の聴取形態が大きく変わることは間違いないのだけど、これでCDはますます売れなくなるとも、ひとまず定額制のストリーミングからパッケージ販売への導線が作られるとか両方の説があった。それで結果はどうなったかというとCDの販売数量及び金額は増えも減りもしてもいない。まあたかだか1年でドラスティックに変わるわけでもないし、定額制音楽配信自体日本で本格的に出てきたのは今年後半で浸透度はまだまだ低いので、こ年の数値が底打ちなのか足踏みなのかを含め、色々結果が出てくるのはこれからだろう(これら含む配信の話はまた来月に)。ただ、僕個人の話をすればCDを買う枚数が去年の後半から確実に減ったのは間違いない。

    因みに、ここで挙げられている数値は日本レコード協会の集計数値であり、その加盟社が対象となるのでいわゆる「メジャーレーベル」の数値に限られたものになる(日本におけるメジャーレーベルの定義は日本レコード協会加盟社であること、です。詳しくは山口一郎さんによるラジオでの解説を参照あれ)。とはいえ、インディーズレーベルも生産や流通の一部をメジャーレーベルたるレコード会社に委託しているケースは極めて多いので「ほぼ」市場規模の数値、といってもそんなに問題ないんじゃないかと思う。

    ●CD売上の前年比較詳細

    年間を通じたパッケージメディアの売上には殆ど去年と同じということになったために、去年以上に書くことがない。因みに洋邦別に前年比を出すと邦楽が104%、洋楽が73%くらい。その結果、パッケージメディアにおける洋楽比率は過去最低の14%にまで落ち込んだ。去年がアナ雪特需で一時的に盛り返していたとはいえ、ちょっとびっくりな数字ではある。では実際傾向どうだったのかということで、例によりオリコントップ100の属性比較。集計期間が1ヶ月ズレており、さらにシングルは4割くらいカバーできるけどアルバムは15%程度だから参考程度にしかならないことをご承知置きくださいませ。それからジャンル分けだけど、例年通りポップスとロックの境界線が曖昧な気がするけどそこはまあ気にすんな。

    genre

    やっぱり洋楽の数値は少なくなっていた。心配だ。あと、ジャニーズと48G以外のアイドルによるアルバムは一切トップ100にランクインしなかった。ただし、今年はPerfumeももクロBABYMETALの三者が春にアルバムを出すことが発表されているので一時的なものでしょう。でんぱ組.inc等もランクインしなかったことは意外だけど、よくよく考えるとこの辺りも上記3グループと異なりCD売上が接触頼みな面があるなので、単価の高いアルバムはなかなか売りづらいんだろうなあと思わされるところ。シングルのアニメ・声優については「ラブライブ!(サンシャイン含む)」「THE IDOL M@STER」の関連作品がほとんど。また、去年やってみたオリコン100位作品の売上枚数推移はこちら(去年5年分しか作らなかったので気合い入れて10年分に延ばしてみた)。

    No100

    アルバムは前年からさらに減少、シングルは微増という予想通りな感じ。面白いのは、シングルは2009年を境にオリコン年間100位の数値が盛り返し、アルバムは一貫して下がっているというもの。ちなみに2010年からAKB48が年間チャート連続1位を続けており、いわゆる「複数買い」が定着した時期とオリコン年間100位作品の枚数が下げ止まった時期は一致している。シングルは複数枚買いしやすいのでこういう結果になったのかなという感じだけど、一貫して売り上げが小粒化しているアルバムの数値を見るとちと易きに流れていやしないかな……という気持ちにもなる。シングルとアルバムの利益率の違いなどがわかれば色々見えてきそうな気も。

    さて次は例年通りの月別比較で少しブレイクダウン。

    single album

    去年ほど月ごとのばらつきは少ないかなって感じ。10月と11月のシングル売り上げが大きく落ち込んでるのが気になる。

    ●映像メディアの先行き

    映像メディアについても月ごとの比較を。ここ数年は「DVDからBlu-rayへのシフトが進んでいるがDVDの落ち込みが大きすぎ」という傾向。しかし今年はDVDの落ち込みが微減に止まった結果、トータルの数字は伸びました。

    video

    単価が高くタイトル数が少ないので、ヒット作品が出るとものすごく伸びるのがこの邪なるの特徴。Blu-ray1作7,000円とすると5万枚売れれば3.5億円(上記グラフでは350)になる。それで市場の0.5%だからね…2015年は2・4・12月が高いが、2月はキスマイ・安室奈美恵、4月は嵐と関ジャニ∞、12月は3代目JSB・ゴールデンボンバーなどが作品を出ている。また、嵐が元日にライブDVD/Blu-rayを一緒に出したのだけど、12月のうちに生産され出荷され販売が開始しているのでその数値も入ってのことだろう。ちなみに嵐はDVD・Blu-rayともに30万枚ほど売れるので1作だけで30〜40億円。下手な月の1ヶ月分の実績を軽々と叩き出すモンスターコンテンツなのである。

    去年からNetflixや先行していたHuluをはじめとする定額制動画配信サービスがにわかに盛り上がってきたけど、コンサート放送というのはあまりカバーされていないこともあり、音楽映像市場はしばらくこのままなのではないか、という感じである。iTunesで売られている作品も少ないしね。

    ●アナログレコード、本格立ち上がり?

    さて去年も独立した項を一つ設けたアナログレコード。暦年比較はこんな感じ。アナログレコードについては中古市場の存在は欠かせないのだけどそもそも把握が極めて難しい上、生産を伴わない流通取引であるため新譜と一緒のマーケットとして考えることには個人的に抵抗がある(メーカー脳)。

    analog1

    2015年の売上金額は、去年を大幅に上回った。今年はカセットテープよりも相当上の枚数・金額を叩き出している。ちなみに気になっていたので今年は月別推移も作ってみることにした。

    analog2

    全世界でRECORD STORE DAYが行われ日本も追従した4月よりも、「レコードの日」と銘打ちメーカー側がキャンペーンを行った11月のほうが生産高が上。因みに僕はどっちの月にも1枚ずつ買いました。なんとなく市場が立ち上がりつつあるのかな、という感じのするアナログレコード。ただ、どうしても高付加価値商品ではあるので幅広く売れる商品ではないと思うし、ブームと言っていい市場規模なのかいまいちつかみかねているというのが実情。今後どこまで伸びるのかは正直よくわからない。

    ●総括のような物

    今年は音楽聴取にとってターニングポイントとなる1年になりそうけど、本格的に影響が出てくるのはこれからなのかもしれない。もしかしたらならないかもしれないけど。毎年言ってるけどレコード会社は「音楽を聴く人」をどれだけ増やすかということが最大の命題であることは間違いない(どの業界でも多かれ少なかれ言えることではあるんだけど)。かといって長期的な視野でどうこうしている余裕なんてないわけで、複数枚商法・特典商法でのパッケージ商品延命でなんとか目の前の状況をやりくりしているのが現状。

    ただ、CDを売るのか、音楽を売るのか、本当に大事なものはどちらなのかということはほんとよく考えた方がいいと思う。僕自身、Apple Musicを使い始めてからCDを買ってリッピングするのが超面倒になってしまっている。本当に好きなもの以外はほとんど配信(Apple MusicもiTunes Storeも使っている)で買うようになった。なんというか音楽を載せるメディアがついに本格的に変わろうとしているんじゃないか、という気がしてきている。

    というわけで来月定額制含めた配信の話をしますのでお楽しみに。

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    By たにみやん • Music, 音楽業界レビュー・売上まとめ •

    1月 2 2016

    COUNTDOWN JAPAN 15/16に行ってきた話 〜完全に確立した”年末の風物詩”〜

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    あけましておめでとうございます。定例なので、今年も昨年末から元旦にかけて行っていたCOUNTDOWN JAPANについて色々振り返るところから始めたいと思います。新年早々振り返りから始まるのだけどいいのか。

    今年も去年同様後2日参加でした。見たのはこんな感じ。
    30日:cero→LITTLE GREE MONSTER→東京スカパラダイスオーケストラ→パスピエ→GOOD ON THE REEL→back number→DAOKO→電気グルーヴ→サカナクション
    31日:the HIATUS→the band apart→The Fin.→Shiggy Jr.→エレファントカシマシ→清竜人25→BUMP OF CHICKEN→Czecho No Republic→SPECIAL OTHERS→banvox→SCANDAL

    特に良かったのはceroとBUMP OF CHICKEN。後者については後ほど詳述します。あと良かったのはサカナクション、Suchmos、Shiggy Jr.、清竜人25辺り。自分の好きなもの中心に見てたから当たり前ではあるんだけど、全般的に満足度高かった。

    さて、今年も実際に行って色々気付いたところがあるので書き残しておきたいと思う。

    ●ブッキングの話〜アニソンDAYは定着するか?

    今年のブッキングの特徴だけど、概ね昨年までの傾向を踏襲しつつ幾つか変化があったのでまとめておく。

    • 昨年に引き続き「異分野は単体集客武道館以上」が基本線(一部例外あり)
    • 28日のアニソン関連ブッキングが拡大
    • 新人のピックアップも積極的に

    今年呼ばれたグループアイドルはBABYMETAL、でんぱ組.inc、チームしゃちほこの3組。いずれも日本武道館公演をソールドアウトさせた実績のあるグループだし、横浜アリーナ2DAYSを成功させ東京ドームを控えるBABYMETALや代々木第一体育館2DAYSを成功させたでんぱ組.incはEARTH STAGEに配置された。ただあくまでそれは例外的というか、ジャンルの枠をこれらのグループが飛び越えてるとの判断によるもので、後述するアニソン関連歌手やSirent Sirenなども含め、日本武道館を売り切っても「ロックフェスがアウェイ」のグループはCOSMO・MOON・ASTROの3ステージのいずれかに配されている(GAKLAXY STAGEの大半は武道館でやったことなんてないミュージシャンなのに!)。率直に言って目配せしてますよレベルで、それ自体の集客効果についてはかなりシビアに見ているようだ。

    そして、去年も28日に呼ばれたアニソン勢(何故28日なのかというとコミケと重ならないのがその日だけだからだろう)については、昨年に引き続きのKalafina、OLDCODEX、LiSAに加えてAimer、藍井エイル、茅原実里が追加され、加えて昨年ごっそり削られたボカロ勢からじんが復活。タイムテーブル上は全く重なってなかったので、その気になればプチアニメロウィンターライブする事も可能であった。年末にはこういうタイプのアニソンライブイベントが無く、なおかつ28日は仕事納めが終わってない人も多くそもそも来られる人が少ない(が、これらのファンは若年層が多くこの日程でも来られる)ので層を広げで会場を埋めるというのは有効な策だろう(現にこの日は4日間のうち唯一当日券が出た日になった)。

    また、これはRIJFと合わせて話すべきことなのだろうけど次世代のバンドをピックアップ・ブッキングしていこうという考えがあるようで、ネクストブレイク組がかなり呼ばれてたな、という印象。Shiggy Jr.なんかもそうだろうけどThe Fin.、Suchmosなど既存のROJ的文脈と離れたグループがそこに該当する。元々1000人未満のライブハウスでワンマンというグループが多いこともあり決して動員が良かったとは言えないが、今後も継続してブッキングしてほしいところ。

    ●会場設備の改善と「音楽の鳴るお祭り」化

    会場は今年も1〜8ホール+イベントホールをライブ会場及び飲食スペース、9〜11ホールをクローク・物販・リクライニングスペースとする形。基本ライブ・フードエリアにたくさん人が入るようにしている形なんだけど、今年は大きく2つのマイナーアップデートがあった。1つはGALAXY STAGEの位置でもう一つは開催時間の変更。

    まず会場の話。昨年は8ホールをまるまる使う形だったのが、今年は方向を変えて7〜8ホールをまとめたエリアの半分弱を使う形となった。多分なんだけど、去年より収容人数は少なくなってるはず(公式サイトによると収容人数16,000人。去年のは書いていないんだったけど、20,000人って話だったような……?)。また、昨年は丸ごと1つのホールで壁も立ててと記憶しているのだけど、防音のような工夫は幕が張ってある程度でステージの音がほぼ丸聞こえ。もちろん幕の向こう側に行った方が音は良く聞こえるとはいえ、別にフードエリアでもそこそこ音楽を楽しめるという状況。この工夫は、率直に言って最近のこのフェスの客層にはわりとマッチしているのではないか、という気もしてきてしまう。まずは、下のエリアマップを見てみてほしい。

    CDJ1516_MAP

    これはCDJ公式サイトのマップに僕が赤線を書き入れたものだ。6個ほど赤で新規に書き加えているけどこれは何かというと、写真撮影ポイントとして行列ができていたところだ。昨年に引き続き公式コラボブースとして登場したスターウォーズブースはライトセイバーを持って写真を撮れるところで、WOWOWブースでは撮影した写真をSNSにアップすることでステカーがもらえる、という試みをしていた。それがいいとか悪いとかそういうことではなく、写真撮影に行列しながらも音楽がそれなりに聴こえる場であるというような工夫が比較的されているように感じた(COSMO/MOON間とASTORO2階ロビーにあるROCKオブジェクトは音が聞こえづらくなる位置だけど)。大多数がそうだというつもりは全くないけど、「その辺で音楽が鳴っているお祭り」くらいな感じで来ている人もそれなりにいるんじゃないかという気がする。ステージはそこそこおめあてのをちょっと見られればいいやみたいな。そういう感じでフェス慣れしている人から全然慣れていない人まで様々な人を受け入れる都合上、会場整理・誘導(特に海浜幕張駅から9〜11ホールへの誘導)なんかはかなり小慣れてきたなという感想を持った。あと、個人的にはこのステージ入口ディスプレイが良いなと感じた(その分ラインナップ看板がなくなったのはちょっと納得いかないけど)。

    IMG_3002

    それからもう一つの時間変更だけど、今年は開演時間と終演時間がそれぞれ1時間早まった。シンプルに会場にいる人が多くなりすぎたので電車のキャパとの兼ね合いによるものだろう。先に述べた会場整理・誘導など含めてイベントとしての洗練度というか快適性の追究は引き続き行われているようなので来年もより良くなることを期待するところ。今年はそこまで寒くなかったので9〜11ホールへの移動が大変ということはなかったけど、終演後は人がたくさん集まって移動に時間がかかるので風除けなどあるとめちゃ寒かった時なんか良いのでは、というリクエストをしておきたい。去年から言ってるけど。

    ●紅白中継で「世間」とつながったCDJ

    今年のCDJの最大のトピックとして挙げられるのはBUMP OF CHICKENの紅白初出場とそれがCDJ会場からの中継で行われたことだろう。クイックレポートにも記載があるけど少し補足しきながら振り返りたい。

    1曲目の「Hello,world!」が終わったら影アナ鮎貝さんも登場しての5分以上に及ぶ長めのMC(ここはあまり評判よくなかったけどもう1曲やってギリギリになったら怒られるとか色々理由があったんだろう)。そして鮎貝さんの「それでは紅白歌合戦の会場の様子を見てみましょう」の声で前方ディスプレイが紅白のオンエア映像に切り替わり。西野カナ「トリセツ」の曲紹介くらいから流れる。この時点ではまだ音声なし。そして西野カナの歌唱が終わったところで音声が入り、司会のV6井ノ原快彦が藤原基央に意気込みを聞いて準備を促した後「COUNTDOWN JAPAN、国内最大の年越しフェスです」という紹介。お茶の間でCDJの名前が出てくるなんて!!何年も通っている側としては感慨深い瞬間であった。音楽好きではない知人・友人の間では名前も存在も知られてなかったわけで。ある種、コミケに次ぐ「年末の風物詩」としてその地位が確立された瞬間ではないかなと思う。

    そして、映像が入ったあたりから徐々に紅白モードに切り替わっていくのを現場で肌で感じることができたのはとても良かった。バンプの演奏もめちゃくちゃ気合い入っていたし、観客の盛り上がりも良かった。結構な数の人がテレビに映りたいというか現場に居合わせたいという野次馬だったけど(結構な数の人が中継終わってすぐ出て行った)、そういう人達も含めて会場の空気感に独特のものがあったのを肌で感じた。バンプに特に思い入れがあるわけではないけど、率直に言ってものすごい感慨深いステージだった。

    この歴史的瞬間についてだけど、事務所の後輩であるサカナクションが2013年の紅白歌合戦に出たことから繋がっているだろう。それ以来所謂「音楽雑誌」初の文化圏が紅白に入り込んでいくことになった走りだ。2014年のセカオワも、2015年のバンプ・ゲスの極み乙女も(あるいは星野源も)、サカナクションが築き上げた道に乗っていると言っていいんじゃないかと思う。バンプは紅白どころかテレビにすら出ないことを信条とするバンドの代表的存在だった。しかし、それすらも動かした、ということはとても大きなインパクトのある出演だったんだな、ということを2年たった今再度確信する次第。

     

    そんなわけで今年も良いCDJでした。基本的に今年見られた変化は好ましいものだと思っているので、きっと次回も行ってると思います。そんでもって今年もよろしくお願いいたします。

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    By たにみやん • Music, レキシ •

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