NHKでやってる「COOL JAPAN」っていう番組で「歌」についてやっていたので、再放送を録画して見てみた。
番組の基本的な構成は、日本好きの外国人達が座談会をしながらそれぞれがクールだと思う日本独特の風習・特徴などについてプレゼン(自分で取材したVTRが流れる)して、最後に司会の鴻上尚史、リサ・ステッグマイヤーとゲストのご意見番(今回は荒俣宏)が最もクールだったものを決める、というもの。因みに過去の放送リストを見たところ「音楽」というテーマで3年前にやって以来このテーマは2回目であるようだ(「アイドル」という回もあったようだけど)。
率直に言うと、すごく面白かった。自分たちが聴いてる歌を外国の人がどう感じるのかっていうのがわかったし、色々斬新な視点があって勉強になった。
さて、今回登場したのはこれらの国の人達。
- ロシア(男):黒いニット帽を被ったニヒルな感じの人。日本の音楽好き?と聞かれたときに一人手を挙げるのを渋った。
- オーストラリア(女):初音ミク大好き。好きな曲は「choo choo train」。
- ブラジル(男):アニメ好きで日本に来たが、実は美空ひばりがかなり好き。
- イタリア(女):アニメ・ゲーム好き。ヴィジュアル系の美しさに魅せられている。
- フィリピン(女):80年代アイドルが好き。
- アメリカ(男):大瀧詠一の「幸せな結末」が好き。
- 韓国(女):クールで理知的な意見多し。あまり関係ないけどK-POPの話は比較する文脈でも一切出なかった。
- イギリス(男):作曲家の知り合いがいるらしい。
そして、座談会のお題・下敷きになる外国人自らの「ここがクール!」の取材は、こんな感じ。
- 日本人は歌好きで、日本の歌はあらゆる世代にマッチしてクール
- 日本の歌はジャンルが豊富でクール
- 日本の野球の応援歌は独特でクール
では、それぞれ個別に紹介。
●「日本人は歌好きで、日本の歌はあらゆる世代にマッチしてクール」な話。
まずは色んな年配の人に街頭インタビュー。色んなミュージシャンの名前が出てきた訳だけど、山口百恵が好きって10代の女の子や、尾崎豊は自分と真逆の不良っぽくてかっこいいという10代の男の子、BOφWYやチェッカーズが好きだという10代の男の子が出てきて冒頭の結論に。この話題に関する座談会ではこんな意見が出てきてた(あくまで自国との比較をしている物を中心にピックアップ。発言だけで誰かわからない場合は足しました)。
- 年配の人でもEXILEのCDを買ったり氷川きよしのファンクラブに入ったり。イタリアではそういう行動は若者の文化で大人はやらない。
- 嵐のコンサートも40代が多いけどみんなメンバーのTシャツ着たりダンスも完璧だったりすごい!(オーストラリアの女性)
- 「放課後プリンセス」というアイドルのライブに行ったとき、ファンの殆どが30代男性だったけど、情熱がすごかった、と(イギリスの男性、知人の作曲家の紹介で行ったらしい)
- ロシアではカテゴリーが年代別に決まっている。日本はみんな自由に色々聴いてて羨ましい
- イタリアのラブソングは型にはまった表現が多井のに対し、日本の歌は表現がユニーク。
- ロシアの歌は政治や戦争などの、世の中何が悪いのかっていう深刻なテーマを扱った歌が多い。
- フィリピンはラブバラードが多いけど、日本は「頑張ろう!」っていうような歌が多い。
どれくらいインタビューしたのか分からないからこれだけでは何とも言えない。ただ、ceroや森は生きているなどの若いインディーズバンドがはっぴぃえんどへのリスペクトを表明したりしてるのを見ると、10代で山口百恵好きって言われてもあんまり違和感ない。YouTubeでどんな時代の音楽にも簡単にリーチできる時代だしね。
ところで、イタリアでビジュアル系から音楽的に影響を受けてるのって、僕のフェイバリットメタルバンドでもあるRhapsody Of Fireとかなんですかね。


Symphony of Enchanted Lands
●日本のCDショップは品数が多い話
ブラジルとイタリアの人が男女ペアでタワーレコードの渋谷店で邦楽フロアを取材していたんだけど、とかく新鮮なようだ。J-POPだけでもジャンルが多くてアイドル専用棚(ベビメタが思いっきり映ってた)、J-PUNK、演歌等々…その上で、彼等に新鮮に映ったのは「サウンドトラック」の棚。TV番組のサウンドトラックがCDになるのは海外ではあまりないらしく、CMソング集にも感動してた。また、「声優が歌手活動をするのもアメリカやブラジルではない!!」と新鮮な驚きを見せる。卒業の歌もたくさんある(ブラジルにはない、と)など、「日本はなんでも歌にするのね〜」と感動。因みにアメリカの男性医が全員が「自国より日本の歌の方がジャンルが多い」と回答。このトピックではこんな意見が。
- アメリカもたくさんあるよ!アイドルやCMソングまではないと思うけど
- アイドルでも80年代、90年代と分けたりする(フィリピンの女性)
- 日本には驚くほどジャンルがある。ヴォーカロイドは私達の知ってるエレクトロニカとは違う日本独特ジャンルの音楽(オーストラリアの女性)
- 日本にはジャンルが多いというより特殊なジャンルがある。例えば「ヴィジュアルケイ」(ヴィジュアル系は英語でそのまま言う。フィリピンやロシアでもそう)。派手な衣装・ヘアスタイルはアニメやゲームの世界の人みたいで、音楽はゴシックで幻想的で、音楽性はヨーロッパにも影響を与えてる。(イタリアの女性。この後アメリカの男性による「KISSも派手で化粧してるじゃん」という指摘に「一緒にすんな!ヴィジュアル系は美しいのよ!」とマジギレ)
タワレコの渋谷については、外国人ミュージシャンの人気も高いらしい。最近は日本でしかCDを出さないミュージシャンもいたりする位で、自分や仲間のミュージシャンの歌が物理的な商品として置かれてるのを見ると感激するらしい、というのをこの前行った座談会で聞いた。総体的にCDというパッケージ自体の需要が他国より抜群に高いからってのもあるけどその辺は他の記事を見てね。
そして「ヴィジュアルケイ」がそのまま英語として通用することには驚いた。確認したところ、Wikipediaに「Visual kei」のページがあった。因みにビジュアル系はゲームだけでなく歌舞伎との関連なんかも言われてるよね。その辺からも日本独特の物として認知されるに至ってるのかな。ジャンルが多いというのはやっぱり外国人でも感じるのかーって思ったけど、「なんでも歌にする」っていう指摘はそういうもんなのかーと感心。そんな訳で、その典型例とも言える次の話。
●野球の応援歌はクールな話
続いて野球の応援歌の制作現場をアメリカの男性が取材。東京ヤクルトスワローズの私設応援団でシーズンオフに今まで応援歌を持っていない選手を選びコンペを開催し、そこに一人の男性が応募して先行、結果発表までのプロセスを密着取材。スポーツにおける応援歌は日本独特の物のようで、ここでも色々な反応が上がった。
- 韓国では人気の曲が既にあって選手ごとに歌詞を付ける形。曲までオリジナルで作るのはすごい。
- オーストラリアは「オージー!オージー!オイオイオイ!」とか選手の名前を叫んだりくらいで応援歌がない。
- ブラジルはサッカーのチーム応援歌があるけどチームのための歌で、試合中に歌うような歌ではない。
- イギリスのサッカーでは試合中にファンが歌い出すことがあるけど、応援じゃなくて、相手チームを罵って野次るような歌
- イタリアの応援歌は皆同じ。とても短い。日本は野球以外にも女子プロレスなんかにも選手別テーマソングがあるのがすごい。
- 日本人は普段大声を出せないけど、ああいう場所では許されるから応援歌を歌うんだろう(イギリスの男性)。
- 応援歌のおかげでスポーツ観戦に行くのが楽しい。試合がつまらなくても応援歌をファンが歌ってるから退屈しない(ロシアの男性)
- 日本人では一体感が大事。一緒に歌えばグループとしてまとまる。だから日本では応援歌が盛んなのでは。(韓国の女性)
→一体感を歌で表すと言えば労働。「木遣り節」なんかはそうだろう。(ゲストの荒俣宏)
応援歌って日本独特だったんだねえ。意外でした。
●外国人ミュージシャンから見た日本の歌
日本が好きな外国の有名人、「現代のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)」のコーナーでScott&Riversが登場。J-POPが好きすぎてJ-POPデュオとして昨年CDも出した彼等にとって、日本の歌はどう見えているのかを語ってくれた。以下はその要旨。
- 日本の歌を最初に聞いて驚いたのは、転調とコード進行がたくさんあって複雑だということ(リバース。Katy Perryの「Teenage Dream」と木村カエラの「Butterfly」を弾き語りで比較。前者は3コード、後者は40コード位)
- 僕の音楽は殆ど全部同じスタイルだけど、日本では一人の歌手で全然違う感じの曲を歌ってて驚く(リバース)
- 日本の歌手のアルバムを聴くと、「このアルバムは一つのアルバムとしてはありなのか!?」と思う。アメリカでは絶対無理だけど、日本人の音楽ファンは分け隔てなく聴いて「良いものはいい!」と言う(スコット)
- (その日本の音楽ファンの姿勢から)僕達は自由をもらった(リバース)
- 日本人のサラリーマンの友達から話を聞いたりして頑張って日本語の歌詞を書いた、日本の影響を受けて作った楽曲・CDが「洋楽」の棚に置かれるのはがっかり。残念。置くなら邦楽の棚じゃないですか?(スコット)
サンティアゴでの彼等のライブ風景も流れてて、終演後に観客がインタビューで「日本文化とアメリカの音楽を混ぜるなんてすごくクール」って言ってたんだけど、その後ろでカップルが思いっきりキスしてたのはどうにかならなかったのか。この話を受けて、自国の歌との違いなんかにフォーカスした外国人座談会。
- 日本の歌は音階が独特で、欧米の歌とは確かに違う。(フィリピンの女性)
- (スコリバは)英語で表現しきれないから日本語で歌詞を作るのかな?(ロシアの男性)
- イタリアでは特定の表現が何度も繰り返されることが多い。日本の歌詞は様々な表現があって歌の世界が広がる
- GacktやHydeはロックなのにオペラのように歌う。オーストラリアにはない歌い方。最初は辺に思うけど意外とハマる
- 楽器の使い方が独特。ポップスなのに和楽器を入れる曲が多くて、最新のアニソンにも伝統的要素が入ってる。(ブラジルの男性)
- 素晴らしいのは誰もが好きな物を見つけられるということ。ただし魂がこもってないように思う(イギリスの男性)
- 魂を感じたいなら演歌だよ!(ブラジルの男性)
- 日本の歌はお皿に乗って出てくる物じゃなくて自分で探す物。大変な作業だけど探せばきっとお気に入りが見つかる(オーストラリアの女性)
みんな色々地獄の歌に対して思っているところあるのかな。日本の歌でも単純なコードの物はあるしか意外にもコードが複雑な歌はあるから一概に決められる物ではないけど、スコリバの二人からもジャンルの話が出たのは面白かった。
●番組をうけて
プレゼンされた「クールさ」の中で最もクールだと番組の最後で 判定されたのは、「ジャンル」。やはり、日本の歌の多様性というのは外国の人からするとより際立って見えるようだ。最後にオーストラリアの女性が発した「日本の歌はお皿に乗って出てくる物ではなくて自分で探す物」というのはその通りでしょって思ったけど、裏を返すとオーストラリアをはじめ日本以外ではそうではないということなのだろうかな?メタラーはメタルしか聴かないみたいなのはあるって話よく聞くけど(日本でもあるけど比率が違いうみたい)。
この番組に出ているのは日本大好きな外国人ばかりなのでバイアスがかかってることは承知の上だけど、やはり日本の音楽は多様性と懐深さに満ちているんじゃないかなあと思う訳(もちろん深掘りしてナンボみたいなところはあるけど)。そうすると、数日前に出てたこの記事が思い浮かぶ。
ここでは日本の最近の流行歌は単純でレベルが低いみたいなこと言ってるけど、少し裾野を広げるだけで違う世界が出てくるんじゃないか、と思う訳だ。
因みに僕はこの記事を書いた方が書いた「ポピュラー音楽の社会経済史」という本も読んだ。ざっくりいって、「音楽は公共財なんだからもっと良い音楽を奏でる人達を育てるために音楽税を作ろう。それにしても日本の最近の流行歌はコード進行が単純で全く進歩がないよ!」という内容だ。音楽ビジネス基礎知識みたいなのは割と書かれているのでその点は参考になるのだけど本の半分位は先述の流行歌disのベースとなる楽理解説と音楽史なのでなんか違う本を読んでる気になった。


まあそれは置いといて、(日本の歌が好きとはいえ)外国の人がこう思ってるんだなーというのを見るのは楽しいしすごく参考になる。みんなそれぞれの国の歌について色々思うところはあるみたいだね。ただジャンルが多いとか幅広さについては日本の歌はかなり先を行ってるようなので、その多様性が好きな僕はもっと胸を張って生きようと思った次第。笑。見逃した方はNHKオンデマンドで後日見られます。200円かかるけど。(なんかこの回だけ配信されてないみたいです。残念)
そんでもって、次回はその日本の歌に細かくフォーカスした本について書こうかなと思ってます。
関連
3月 14 2014
「外国から見た日本の歌」の話が面白かった
NHKでやってる「COOL JAPAN」っていう番組で「歌」についてやっていたので、再放送を録画して見てみた。
COOL JAPAN~発掘!かっこいいニッポン~
番組の基本的な構成は、日本好きの外国人達が座談会をしながらそれぞれがクールだと思う日本独特の風習・特徴などについてプレゼン(自分で取材したVTRが流れる)して、最後に司会の鴻上尚史、リサ・ステッグマイヤーとゲストのご意見番(今回は荒俣宏)が最もクールだったものを決める、というもの。因みに過去の放送リストを見たところ「音楽」というテーマで3年前にやって以来このテーマは2回目であるようだ(「アイドル」という回もあったようだけど)。
率直に言うと、すごく面白かった。自分たちが聴いてる歌を外国の人がどう感じるのかっていうのがわかったし、色々斬新な視点があって勉強になった。
さて、今回登場したのはこれらの国の人達。
そして、座談会のお題・下敷きになる外国人自らの「ここがクール!」の取材は、こんな感じ。
では、それぞれ個別に紹介。
●「日本人は歌好きで、日本の歌はあらゆる世代にマッチしてクール」な話。
まずは色んな年配の人に街頭インタビュー。色んなミュージシャンの名前が出てきた訳だけど、山口百恵が好きって10代の女の子や、尾崎豊は自分と真逆の不良っぽくてかっこいいという10代の男の子、BOφWYやチェッカーズが好きだという10代の男の子が出てきて冒頭の結論に。この話題に関する座談会ではこんな意見が出てきてた(あくまで自国との比較をしている物を中心にピックアップ。発言だけで誰かわからない場合は足しました)。
どれくらいインタビューしたのか分からないからこれだけでは何とも言えない。ただ、ceroや森は生きているなどの若いインディーズバンドがはっぴぃえんどへのリスペクトを表明したりしてるのを見ると、10代で山口百恵好きって言われてもあんまり違和感ない。YouTubeでどんな時代の音楽にも簡単にリーチできる時代だしね。
ところで、イタリアでビジュアル系から音楽的に影響を受けてるのって、僕のフェイバリットメタルバンドでもあるRhapsody Of Fireとかなんですかね。
Symphony of Enchanted Lands
●日本のCDショップは品数が多い話
ブラジルとイタリアの人が男女ペアでタワーレコードの渋谷店で邦楽フロアを取材していたんだけど、とかく新鮮なようだ。J-POPだけでもジャンルが多くてアイドル専用棚(ベビメタが思いっきり映ってた)、J-PUNK、演歌等々…その上で、彼等に新鮮に映ったのは「サウンドトラック」の棚。TV番組のサウンドトラックがCDになるのは海外ではあまりないらしく、CMソング集にも感動してた。また、「声優が歌手活動をするのもアメリカやブラジルではない!!」と新鮮な驚きを見せる。卒業の歌もたくさんある(ブラジルにはない、と)など、「日本はなんでも歌にするのね〜」と感動。因みにアメリカの男性医が全員が「自国より日本の歌の方がジャンルが多い」と回答。このトピックではこんな意見が。
タワレコの渋谷については、外国人ミュージシャンの人気も高いらしい。最近は日本でしかCDを出さないミュージシャンもいたりする位で、自分や仲間のミュージシャンの歌が物理的な商品として置かれてるのを見ると感激するらしい、というのをこの前行った座談会で聞いた。総体的にCDというパッケージ自体の需要が他国より抜群に高いからってのもあるけどその辺は他の記事を見てね。
そして「ヴィジュアルケイ」がそのまま英語として通用することには驚いた。確認したところ、Wikipediaに「Visual kei」のページがあった。因みにビジュアル系はゲームだけでなく歌舞伎との関連なんかも言われてるよね。その辺からも日本独特の物として認知されるに至ってるのかな。ジャンルが多いというのはやっぱり外国人でも感じるのかーって思ったけど、「なんでも歌にする」っていう指摘はそういうもんなのかーと感心。そんな訳で、その典型例とも言える次の話。
●野球の応援歌はクールな話
続いて野球の応援歌の制作現場をアメリカの男性が取材。東京ヤクルトスワローズの私設応援団でシーズンオフに今まで応援歌を持っていない選手を選びコンペを開催し、そこに一人の男性が応募して先行、結果発表までのプロセスを密着取材。スポーツにおける応援歌は日本独特の物のようで、ここでも色々な反応が上がった。
→一体感を歌で表すと言えば労働。「木遣り節」なんかはそうだろう。(ゲストの荒俣宏)
応援歌って日本独特だったんだねえ。意外でした。
●外国人ミュージシャンから見た日本の歌
日本が好きな外国の有名人、「現代のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)」のコーナーでScott&Riversが登場。J-POPが好きすぎてJ-POPデュオとして昨年CDも出した彼等にとって、日本の歌はどう見えているのかを語ってくれた。以下はその要旨。
サンティアゴでの彼等のライブ風景も流れてて、終演後に観客がインタビューで「日本文化とアメリカの音楽を混ぜるなんてすごくクール」って言ってたんだけど、その後ろでカップルが思いっきりキスしてたのはどうにかならなかったのか。この話を受けて、自国の歌との違いなんかにフォーカスした外国人座談会。
みんな色々地獄の歌に対して思っているところあるのかな。日本の歌でも単純なコードの物はあるしか意外にもコードが複雑な歌はあるから一概に決められる物ではないけど、スコリバの二人からもジャンルの話が出たのは面白かった。
●番組をうけて
プレゼンされた「クールさ」の中で最もクールだと番組の最後で 判定されたのは、「ジャンル」。やはり、日本の歌の多様性というのは外国の人からするとより際立って見えるようだ。最後にオーストラリアの女性が発した「日本の歌はお皿に乗って出てくる物ではなくて自分で探す物」というのはその通りでしょって思ったけど、裏を返すとオーストラリアをはじめ日本以外ではそうではないということなのだろうかな?メタラーはメタルしか聴かないみたいなのはあるって話よく聞くけど(日本でもあるけど比率が違いうみたい)。
この番組に出ているのは日本大好きな外国人ばかりなのでバイアスがかかってることは承知の上だけど、やはり日本の音楽は多様性と懐深さに満ちているんじゃないかなあと思う訳(もちろん深掘りしてナンボみたいなところはあるけど)。そうすると、数日前に出てたこの記事が思い浮かぶ。
高増明:日本のポピュラー音楽って大丈夫なの?──AKBや佐村河内守現象の背景にあるものとは:THE JOURNAL:THE JOURNAL(THE JOURNAL編集部) – ニコニコチャンネル:社会・言論
ここでは日本の最近の流行歌は単純でレベルが低いみたいなこと言ってるけど、少し裾野を広げるだけで違う世界が出てくるんじゃないか、と思う訳だ。
因みに僕はこの記事を書いた方が書いた「ポピュラー音楽の社会経済史」という本も読んだ。ざっくりいって、「音楽は公共財なんだからもっと良い音楽を奏でる人達を育てるために音楽税を作ろう。それにしても日本の最近の流行歌はコード進行が単純で全く進歩がないよ!」という内容だ。音楽ビジネス基礎知識みたいなのは割と書かれているのでその点は参考になるのだけど本の半分位は先述の流行歌disのベースとなる楽理解説と音楽史なのでなんか違う本を読んでる気になった。
まあそれは置いといて、(日本の歌が好きとはいえ)外国の人がこう思ってるんだなーというのを見るのは楽しいしすごく参考になる。みんなそれぞれの国の歌について色々思うところはあるみたいだね。ただジャンルが多いとか幅広さについては日本の歌はかなり先を行ってるようなので、その多様性が好きな僕はもっと胸を張って生きようと思った次第。笑。
見逃した方はNHKオンデマンドで後日見られます。200円かかるけど。(なんかこの回だけ配信されてないみたいです。残念)そんでもって、次回はその日本の歌に細かくフォーカスした本について書こうかなと思ってます。
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By たにみやん • Music •