4月 1 2012
これからのインターネットの話をしよう〜 #HUG_Tokyo 2012に行ってきた話
昨日は村の寄り合いに行ってきました。
はてなのユーザーイベント。僕ははてなのサービスって使ってるのはてなブックマークが殆どなんだけど、なんか面白そうだし近藤社長来るし当日暇だしで参加申し込みしていくことにしたわけです。
結論から先に言うと行って良かった。んで、色々気付きとか思いを新たにしたこととかあったので、それをつらつら書いてみようと思う次第。
前置き:オープンインターネットとクローズインターネットの話
オープンインターネットというのは世界中に開かれ繋がっている『いわゆる』インターネット。そして、クローズインターネットというのはFacebookやmixiのようにその中で完結して閉じているインターネット。この二つを分ける物は何か。Googleのような検索エンジンが到達できるか否か。
その上で、最近はクローズインターネット隆盛だけどオープンであることはやっぱり可能性もあるし、続々活動しようね!ということと、オープンとクローズの間をつなぐようなサービスをもっと提供したい、というのがはてな社長の近藤さんの基調講演でのお話の大意。
近藤社長とはてなという会社
これは懇親会で本人にもお話したんだけど、近藤さんは僕が想像していたとおりの人だった。一つはインターネット大好きだということ。もう一つは(これは本人には言ってないというか言うのを忘れたんだけど)少年のような心を持った人だということ。田舎から出てきて京都大学に入ってであったインターネットに魅せられて、その魅力をもっとみんなに伝えたいという思いで事業をやっているんだなあということが言葉の端々から伝わってきたなあと。
そしてはてなという会社は近藤さんの分身みたいな会社だなあと。根っからの性善説みたいなところがある辺りとか。あと、「はてな村」って言われるくらいユーザーが特徴的だけど、そういう風にユーザーコミュニティが表層化するということは逆にロイヤリティが高いことの裏返しでもあり。それって他のWebサービスにはないオンリーワンなことなんだよね。これは他にない資産だと思うんだけどなあ。まあそれゆえに敷居の高さを感じて新規で入ってくる人が少ないというのが悩み、ということでもあるそうだけど…難しいね。
ワールドカフェで話したこととかそこから思ったこと
オープンインターネットの良かった話とか色々話したわけだけど、基本的にはてなのユーザーでこういうイベントに来る人ってオープンインターネットの恩恵を受けているというか、そもそもこれ自体がオープンインターネットの恩恵じゃないかと思うんだけど、出てきたのがパブリックとの境界線なり使い分けなりみたいな話。
リアル人格とネット人格みたいな話。それは確かにあると思う。僕はあまり意識していないけど、やっぱり話し方とか考えると完全に一緒って訳では無いしね。あとはやはり会社の人に知られたくないとかmixi日記は気を遣うよねとかそういう話は多かったなあ、と。まあ僕もわりと同感だった。特にmixi日記については。Twitterやり始めてからは逆にこのBlog含む色々なサービスを流せるので、逆に使い分けというようなことはしなくなったような。インターネット上の人格はわりと統合されたかも。というか、TwitterとかFacebookとかはインターネットにおける横糸みたいなもんで、逆にはてなは縦糸としてガンガンつなぎ込むようなサービスを軸にするといいんじゃないかな、と思ったり。それ多分近藤さんのビジョンにも合うと思うし。てかもうそうやってるか。
でもなんだかんだいってオープンな場に発信することで僕は多くを得たと思っているので、引き続きこんな感じでやろうと思ってる次第。それにしてもみんなインターネット大好きでインターネットの話し始めると止まらないから全然時間足りなかったよ。もっと話したかった!それからリアルではてなスターの付け合いをするのがすごく楽しかった!結果的にすごく余っちゃったけど。
新サービス「はてなアルバム」
今回のイベントに来た人は、はてなが提供する新サービスのベータテスターになれるという特典が。それが「はてなアルバム」。Instagramみたいな写真SNS?と思ったけどそういうわけではなく、というかはてなフォトライフとかあるじゃんという話もあったけど、アルバムをみんなで作ろうっていうコンセプトのアプリのようで。
思ったことは以下の通り。
- 写真アルバムにみんなで写真をアップロードできるようにするっていうアイディアは良い。30 days albumで同じようなことできるみたいだけど。
- 用途としては各種パーティーや結婚式みたいなのがありそうだけど、プライベート色も結構強いから「フレンドのみ公開」「パブリック」だけでなく、「限定公開」時でも写真の追加ができるようになった方が嬉しいような。
- プッシュ通知がとにかく来る。懇親会の間はみんなのiPhoneがなりっぱなしだった。でもリアルタイムにアップするというよりも後日まとめてアップみたいな使われ方の方が多そうだから、実際のユースケースでは気にならないかも。
- はてなアルバムの写真ははてなフォトライフに保存されるのにはてなフォトライフから写真をアップロードできない。Facebookから写真をアップロードすることはできるのに。不思議。アップロード元がもっと増えると良いかも。
この辺突破すれば結構面白くなるんじゃないかと思ったり。もうちょい使ってフィードバックとかもしてみようっと。
インターネットの話って、インターネット上ではするけど、実際に人と会って話す話題にはならないことが多いよね。でも、今回はインターネット大好きな人達が集まってお話をわいわいすることができたので、それが本当に楽しかったし、自分がインターネット大好きなんだな、ということを改めて実感できて良かった。
後今回幹事のいちのせきさんはじめみなさんありがとうございました。本当はお手伝いもしたかったんですが大遅刻で何もできず。次こそは…!
はてなありがとう。これからもよろしく。
11月 3 2012
まぎれもなく@NHK_PR 〜書評:「中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?」
出るとわかったときから期待してて、届いたらもうものすごい勢いで読み進めてしまったよ。
中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?
Twitterでおそらく一番有名な企業アカウントであるNHK広報局の中の何か(自称)が、Twitterを始めてNHKの公式アカウントになった経緯、その後の特筆するべきエピソードについて自ら語った、という本。
本の体裁がものすごく軽くてゆるいこともあってありきたりなTwitter活用術の本かと思わされるけど、そうではない。というかね、そういうTwitter活用術のセミナーに出かけていくエピソードが前書きにあるんだけど、このエピソードでそういうのの内容(例としてNHK_PR本人のツイートが出てきて、「ゆるい喋りをしましょう」「定番のギャグを入れましょう」なんていう解説が入るという…)をまっこうから「わかってない」というわけ。そこからタイトルに繋がっていくわけだけど、このエピソードの語り口がものすごく面白い。もうそこ読んだだけでやられたよ。なぜAmazonはこの本になか見!検索を用意しないんだ!わかっとらん!
少し落ち着こう。
先に中身の話をすると、タイトルに対する答え(なぜツイートがゆるいのか)について「こうだよ」と明言しているわけじゃないんだけど、読み進めていけばわかるようになっている。それを読み解くのがこの本の楽しみの一つだからあまり書かないけど、NHK_PRの中のなにかが考えた「NHKなりの」理由がそこにはある。「NHKなりの」なので、他の会社にそのまま転用できるわけじゃないけど、逆に読者に考えさせる構成にしていることで読んだ人の中である程度一般化できるようになってるのはいいんじゃないかな、と思う。
それもさることながら、この本の最大の魅力はその語り口。もうね、140字を遙かに超える長文になってもあくまでNHK_PRなの。読めばわかるよ。NHK_PR好きな人は全員買って読めってくらいに成分満載だから。
僕がNHK広報局をTwitterでフォローしたのっていつかなと振り返ってみたら2010年の1月初旬だった。当時まだフォロワーが6000人くらいしかいなかった頃で、広瀬香美とか勝間和代とかがどちらかというと日本Twitter界の中心だったんじゃないかなっていう、今と違う世界がそこにあったあの頃。なんか懐かしいな。ハマコーさんがTwitter始めたのもあの頃だったなあ。あのころからずっとNHK_PRの中の何かはぶれずに活動し続けている。なぜ中の何かなのか。突如ツイートする「あなたたちがNHK_PRです!」の真意とは。全部書いてあります。読めばわかります。読んで考えて知ること。それができるのがこの本のいいところ。想像以上にいい本でした。これは買いだ!
By たにみやん • Book, Internet •